特別生徒クラス行きが決まるテスト
「___と言う事で、ご入学おめでとうございます。以上で演説を終わらしていただきます」
「起立、職員及び、生徒一同、礼っ……着席」
ああ、やっと終わったか。入学式ってここまで長いものなのか。しかし今年の新入生って多くないか?
「なあ、聖奈。今年の新入生って多くないか?」
「いいえ、毎年こんな感じですよ。これからは留学生とかが来るのでもっと多くなります」
そうなのか、そういえば俺は9組になったぞ、聖奈も9組だ。門のとこりに張り紙があってな。そこに書いてあったのだ。
「この学校は何クラスあるんだ?」
「一般生徒のクラスは9クラスあります、後は留学してきた生徒と、特別生徒合わせて4クラスあります。私たちは一般生徒クラスですよ」
聖奈がそんな事を教えてくれると、司会者が喋りだした。
「では、9組の生徒は担任の先生に続いて教室へ向かって下さい」
この学校は特別で入学式の時、普通は指定席なのだが、この聖夜高校は自由席なのだ。だがクラス分けがしてあるがな。
俺達のクラス席の前に、一人のゴツくてデカい男の先生が来た。
「よし、俺の名前は哲太鉄人だ。それではお前ら、俺に付いて来い」
俺はその心の中でこんな事を決めた、これからこの人を鉄人と言おう、と。
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「それでは、まず特別生徒テストを行う」
「先生、そんな話聞いてませんが」
クラス内の誰かがそんな事を言った、確かに俺も聞いていない。
「ああ、そうだな。言ってないから当たり前だろう。特別生徒テストは優秀な生徒のクラスだ、だが今はまだ無いクラスだな。特別生徒クラスと言うのは一般生徒クラスの中から選ぶんだ」
なる程、理解した。だが一体どんなテストをするのだろうか。
「テスト内容はだな、身体能力テスト、学力テスト、魔力テストだな、これを2日でやる。今日は身体能力と学力テストだ、明日は魔力テストだな、ここまでで質問のあるものはいるか?」
ここで聖奈と俺以外の全員が手を上げた。先生はその中の生徒を適当に選んだ。
「魔力テストって何なんですか?」
「…そうだな、これは機密事項だから親以外に言うなよ? 魔力テストというものはな、人間の秘められた力だな。それを使えるかテストをするんだ。この発見は凄いぞ、ある学者が気孔をずっと見ていたら何かオーラの様な物が出て来た、と言う事から始まったのだ」
「そんな事がある訳無いじゃないですか」
「まあ、信じれないだろうな。明日を楽しみにしているといい、では身体能力テストだ、そろそろいいだろう、皆体育館に行くぞ」
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「では、まずは50メートル走からやるぞ、二列になれ」
ここでは男女別れるみたいで、聖奈は別の所へ行った。それなので俺は1人になったのだが、ここで先生が声をかけてきた。
「お前一人か、ペアはいないんだな? なら俺と組むか。安心しろ、手加減はしてやる」
「ふっ、いらんな手加減など……いりません、手加減はしないで下さい」
ついついタメ口になってしまったな、これからはもっと、気を付けよう。
「ハッハッハッハ!面白いなお前、名前は?」
「魔奏魔刀と言います、鉄人先生」
「お、名前覚えてるのか、初日で名前を覚えてくれる奴は全くいないからな……って魔奏っ!? あの魔奏匠の息子かっ!?」
「はい、そうです。父の事を知っているんですか?」
「知ってるも何もおれのライバルなんだよあいつは、そう言う事なら手加減はいらねぇな、ってかお前魔法使えるだろ? 匠の息子なら」
「はい、使えますよ。恐らくこの世界の誰よりも強いでしょうね、俺は」
「言うな、一応言っておくが俺は100メートル走3.6秒だからな、時速100kmだ」
おお、それは凄い。この世界に来て初めてここまでの人を見たな。だが、俺にとっては雑魚だな。
「それは凄いですね、ですが俺は、0.16秒ですよ、ですが俺は音速で走れますがね」
「音速って言ったら約1200kmじゃねぇか、んなもん無理だ、まあいっか、そろそろ初めるぞ! まずは俺と魔刀がやるからな!」
俺はスタート地点に先生と一緒に行った。途中ふと思ったんだが、体育館で走るなら音速よりもっと早く走れそうだな。
「身体強化魔法はありだからな」
「わかりました」
身体強化なんて無駄だな、面倒だしな。そのままで行くか。
「では、誰かタイムを計ってくれ、では行くぞ………位置について、よーい、どんっ!」
先生が走り出した時に俺は全力で走った、そして一秒もしないうちにゴールした。
生徒たちは口をびっくりするくらい開けていた。先生含めてだ。
「「「お前それはねぇーだろっ!!」」」
運動場全体にそんな声が響いた。
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そのあとの身体能力テストは全部新記録を叩き出した。特に凄いと言われたのが走り高跳びだ。俺はケンケンでバーの所まで行って、それから片足で全力で踏み切った。そしたらバーを飛び越えて学校の屋上まで飛んでいってしまった。だな二回目でちゃんと手加減して普通に飛んだ、記録は5メートル50cmだ。
今からは筆記テストをやるらしい。
筆記テストは、自分のクラスでやるとの事だ。
ちなみに、先程鉄人に聞いた話しだか、このテストは魔法を知っている者にしか解けないそうだ。例えば魔法陣の基本や、無詠唱魔法の仕方など。
「解答用紙と問題用紙を配られた者から始めろ、後、テストが終わったら俺に言え。場合によってはその者の下校を許してやろう」
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配られた者のほとんどが頭を悩ませていた。当たり前だ、これは魔法の存在を知っている者にしか解けないのだから。だが、聖奈はスラスラとペンを進ませていた。
ほう、聖奈は魔法の事を知っているのか。
「おい、魔刀。お前カンニングしてるのか?」
鉄人がそんな事を言って来た。フフフ、俺はもう終っているのだよ。 俺はそんな事を思いながら先生に言った。
「先生、テストはもう終わりました」
「なに? そんな馬鹿な事が……あったっ!? 何故だっ! ここまで早く終わる訳がない……っ!」
お、気付いたみたいだな。そう、俺は解答用紙をもらった瞬間、時間停止魔法を使ったのだ。 そして一瞬でテストを終わらした、恐らくは満点だろう。
「しかも満点だとっ!?」
やはり満点だったか。
「先生、帰ってもいいですか?」
先程鉄人が言っていた事を思いだして、俺は先生に聞いた。その答えは予想通りのものだった。
「あ、ああ、いいぞ。明日は魔力テストがあるから絶位に来いよ、特にお前は」
「はい、わかりました。ではまた……聖奈、お前そろそろ終わるだろ、一緒に帰らないか?」
「ちょっとまってて下さいね、見直しが……終わりました。 では先生、お願いします」
「ああ、まさかこのクラスに2人も居るとはな……ってお前も満点かよっ!? いったい何者なんだお前たちはっ!!」
「先生、まだテスト中です」
クラスの中の一人がそう言った。 そしたら先生は反省したように、こんな事をいった。
「ああ、すまないな。まあ、何だ、お前たちは特別生徒クラス行きな」
「「「はあああっ!?」」」
うおっ、ビビった。まさかクラス全員(鉄人と聖奈と俺以外)が叫ぶとはな。
そういえば今日の昼飯はなんだろう。楽しみだ……。
「聖奈も俺の家で昼飯食ってくか?」
「はいっ、勿論ですっ!」
「ハハハ、そうか。楽しみにしておけよ、俺の母さんの飯は美味いからな」