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天翔ける飛竜機

作者:天見ひつじ
 世界中を巻き込んだあの戦争から十年。世界的な不況により職を失った飛行機乗りたちは空賊となり、アドリア海からエーゲ海にかけて荒らし回っていた。それはオーストリア=ハンガリー帝国から念願の独立を果たしたバルカン諸国にとって、貴重な外貨の獲得手段であるアドリアの海路を塞がれることを意味した。

 しかし連合国軍崩れの空賊たちはみな腕利きのパイロットであり、貧弱な装備しか持たないバルカン諸国の空軍ではまるで歯が立たなかった。この問題への対処にあたり、各国の首脳は一つの決断を下す。目には目を。飛行機乗りには飛行機乗りを。かくして空賊の相手は、空賊たちと同じく食い詰めた飛行機乗りから成る賞金稼ぎたちに託されたのである。

 元イタリア海軍中尉『ベアトリーチェ・アレーニア』も、空賊狩りで生計を立てる賞金稼ぎの一人だ。かつてアドリア海のエース、天翔ける白の竜騎士と称賛された彼女は飛行機ではなく相棒の白竜『ブランカ』にまたがり、世界に数組しか存在しないとされる『飛竜士』として、今日もアドリアの空を翔ける。
(注:カクヨムで投稿した作品の転載です)
一章 空賊狩りの竜騎士
休暇の終わり
2016/04/19 00:37
戦友と映画を
2016/04/21 18:32
二章 アドリア海の亡霊
大好きなきみへ
2016/04/23 18:17
水の都を発ちて
2016/04/24 18:13
三章 アレーニアの飛竜
帰郷
2016/04/26 20:25
父と娘
2016/04/27 19:37
トニーニ工房
2016/04/28 19:14
紅の翼
2016/04/29 18:43
診問
2016/04/30 14:04
竜のお茶会
2016/05/01 09:01
四章 蒼空への帰還
新たなる翼
2016/05/02 14:01
きみの翼に
2016/05/03 10:11
もうひとつの翼
2016/05/04 20:32
湖水の晩餐
2016/05/05 18:22
五章 フィウメの空戦
暁の飛翔
2016/05/07 21:12
再戦
2016/05/08 14:04
逃飛行
2016/05/09 20:34
六章 失われる翼
勝利と約束
2016/05/12 22:45
夢と願い
2016/05/13 22:33
被撃墜
2016/05/16 21:32
おやすみ
2016/05/17 22:03
七章 竜は伏して秋を待つ
スイスへ
2016/05/21 07:10
サンモリッツ
2016/05/22 19:32
亡霊との再会
2016/05/23 20:32
八章 アドリアに飛竜は舞う
親愛と忠誠
2016/05/24 20:35
白の飛竜機
2016/05/26 19:29
決戦の空へ
2016/05/27 21:15
エピローグ
飛竜機の記憶
2016/05/29 19:21
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