D.C.
彼女は何度も繰り返した。
きっとこれからも繰り返す。
「ね、もう双子は16歳になったね。」
少女はツインテールを揺らしながら、言う。
「…。」
答えは返ってこない。
空白の部屋にいる4人の少年少女。
1人は憂いを帯びた瞳を持ち、
1人は可愛らしい様相で、
1人は表情を伺うことはできず、
1人は得体のしれない「もの」。
「…さあ、君の計画なら今回はこの時期からが勝負…なんでしょう?」
表情の伺えない少年は少女に問う。
「…。」
「ジジジジジジジジジジジジジ……ピピー……」
得体のしれぬものは、何かを伝えるかのように喚く。
「…わかりました。始めましょう。」
憂いを帯びた瞳の少女は、3人からの催促に頷いた。
「じゃーミカエル!最初はあたしね!!このガブちゃんにまかせてよねっ!!じゃーもう行ってきまーす!!」
その言葉にいち早く反応したのは、ツインテールがかわいらしい少女。
あわただしく空白の部屋から飛び出す少女を3人はただ見守る。
「…これで、最後になるといいのですけれど。」
彼らの名前は、「ミカエル」「ガブリエル」「ウリエル」「ラファエル」。
運命を終焉に導く者。
祈りを抱き、ただただ繰り返す。