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カミサマ
ガロォオオオオオオオオオオ…
夜の闇に禍々しい雄叫びが響く。
周囲は瓦礫の山だった。
きっとこれを見たほとんどの人は、さっきまで…ほんの数時間前までは普通の人がそこで暮らしていて、普通に幸せな生活を送っていたんだなんて誰も思わないだろう。
街を破壊したソレは、虚ろな目でただただ啼いていた。
ソレはある日突然やってきた。
一番はじめに現れたのは、もう千年以上も前。
しかしまだその時はこんなふうに街を襲ったりはしていなかった。
数も、今と昔では比べ物にならない。
むしろ共存していたと考えられている。
でも突然。
そう、本当に突然。
ソレらは人間を襲い始めた。
何も読み取れない炎をその瞳に宿して。
ソレらは「歪み」から現れて、「歪み」に還る。
昔も今も、ソレらの正体はわからないまま。
空間や時空を歪ませるほどの能力を持ったソレらは
「カミサマ」と呼ばれている。