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プロローグ
暗闇。そこはかつて一つの世界だった。その元世界の中心に男は座っていた。
「あーあ。また失敗しちゃった」
そう男がため息交じりに愚痴を零した。
その刹那、完成された“絵”の上に絵具を零したかのように暗闇は男を中心に一層濃くなった。
「やべぇ!また世界を壊したと言ったら『九神』の連中にまた小言言われちゃうじゃあないか!小言言われる前にまた創世しないとなぁ」
またため息をつきより一層暗闇を濃くしながら、男は気怠そうに立ち上がった。
さて今度の世界はどんな世界にするかなどと考えながら準備を始めると、不意にあることが脳裏をよぎった。
「次は666個目の世界かぁ。正に僕にぴったりじゃあないか」と言いながら、男はニヤリと口角を上げた。