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孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
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第七十八話 リボンの決意 eth

「すいません。我が子を想うために感情を乱してしまって……」

「……君は亡き父さんに似とる。感情を抑える事が苦手な部分がな。そこが君の良い所であって、悪い所だ」

「はい……」

ママはゆっくりとリボンへ近づき、頭を抱えた。

「ごめんね、玲奈。許して……」

「いいよ、ママ。私こそごめんなさい」朦朧とする意識の中、リボンは母の笑顔を見ながら気を失った。

「……どうするのか決めたのかね?」

「はい」

玲奈の母は玄関の扉を大きく開け放った。太陽の光が中へ差しこみ、目が眩むほど眩しかった。一体何月ほどの間この感じを忘れていただろう。もう日傘など必要なかった。


「リボン!!」ウルフを筆頭にみんなが駆け寄ってきた。

「リボン……いい名前ね。この子にぴったりだわ」玲奈の母は満面の笑みをした。

「中で何があったんですか?」玲奈の母の乱れた服をみながらウルフは尋ねる。

「色々ね……時寺先生、いやウルフさん娘を宜しくお願いいたします」

「えっ!? どういう事ですか?」

「私は玲奈をずっと拘束していました。我が娘のためにと想いながら。でもそれは娘のためではなく、自分の勝手な行いだと気付きました。玲奈は私が思う以上に強く、りっぱになっていました。みなさんと出会えてね。だからこそみなさんと一緒に、ヒーロー部で活躍する事がこの子のためだと思いました。内向的で臆病な子ですがよろしくお願いします」

「そんな事ないですよ。リボンからいっぱい笑顔をもらいました。こちらこそ大歓迎ですよ」

マゴは満面の笑みで返した。

「私も……リボンがいるおかげでまた元気で一緒にいられるの。アイガトウ」

アイは涙を流しながら満面の笑みをした。

「あの~リボンってシャボン姫なんですか?」

ショーはいつしか聞いた言葉を玲奈の母に聞いてみた。

「うふふ、この子まだそんな事言ってるの? そうよ、昔シャボン玉の能力が目覚めた頃、力の抑制が出来なくてお城を創った事があるのよ。それでみんな笑ってシャボン姫だって囃したてて……本人もその気になってなりたいって言ってたわ。みなさんと出会って本当になれるかもね」

夏の熱い日差しが背中に照らされているのがわかった。一同はその熱い日差し以上にリボンの事を熱く見守った。これからどんな事があってもリボンを守って見せる。みんなの気持ちが一つになった気がした。

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