第七十七話 リボンの決意⑤
「キャーーーー」
「なんだ!?」一同は玄関奥から聞こえる悲鳴に驚いた。
「リボンの声!? 助けなきゃ!」ショーとマゴは体勢を整え、すぐに玄関へ飛びつく。
「待て!!」後ろから聞こえるウルフの野生のような大声に二人は一瞬固まった。
「行くな! 今の状況を見届けるんだ」
「どうしてですか? リボンが、仲間が助けを呼んでいるんだよ」
「だからこそ待つんだ。仲間だからこそ。リボンの覚悟を見届けるんだ」
「覚悟……」
二人は玄関の奥で何が起こっているか分からないが、ウルフの言葉を信じ待つことにした。
「もうあの頃には戻りたくない。一人にはなりたくないよ」
はんにゃ人形は手をお互いに取り合い、リボンを囲んで輪になった。はんにゃ人形が念を入れる度に電撃がリボンの脳天を貫く。
「いや、やめて!!」
「玲奈、回生しないとまだまだ続くわよ。後遺症を残したくないなら懇願しなさい」
「いや、なんで? ママもヒーローだったの?」
「そうよ。悪の犯罪者を守る守護部隊NOⅢとして昔は活躍していた。その時の苦しみや悲しみは今でも絶対に忘れない。あなたにはその辛さを知って欲しくないの」
「だからこそ……!」
「玲奈!!」
さらに電撃は強まった。リボンは半分意識が朦朧とした。自分はこのまま死ぬかもしれない、生きていたとしてもヒーロー部にはいられないかもしれない。
「おやめなさい!!」
声と共に強烈な風が吹き付け、玲奈の母とはんにゃ人形を襲った。はんにゃ人形は壁に激突し、粉々になってしまった。
「娘に能力は使わないと誓ったはずですよマザー。あなただからこそ玲奈の気持がわかるはずです」
奥から現れたのは執事だった、