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孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
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第七十五話 リボンの決意③

【第七十五話 リボンの決意③】

「お母さんが嘘をついているって?」マゴは目を丸くして言った。

「そうよ。娘を危険な目から守るためについた嘘。リボンは自分の部屋で監禁されているのよ。自分の環境から逃げ出せず、孤独な日々を送っているわ。あまりにも可哀そう……」

きれいな涙がアイの頬から流れた。

「じゃあ、その真実を明かして、リボンを助けましょうよ!」キンジョーが大人の意見を言う。

「いや駄目だ」ウルフが制す。

「たとえそうだとしても、お母様にその話を言っても状況は変わらない」

「じゃあどうするんですか!!」

「待とう!!」みんながウルフの目を見つめる。

「リボンが俺たちと一緒に、このヒーロー部で戦う意志を、誇りを待つんだ。彼女がお母様に本当の自分の姿を打ち明け、お母様に認めてもらうしかない」

「待つしかないなんて……」キンジョーは雨に打たれたような悲しい目をした。

「俺は嫌やわ」本間が俯いた表情を上へあげる。

「前に後悔した事があって落ち込んで悩んだ事があった。そんな自分が嫌で堪らなかった。リボンはまだ若いし、この先もっと頑張らなあかん事がまだいっぱいあると思う。彼女は前だけ進んだらいいんや」

そう言ってカバンからスケッチブックを取り出した。おもむろに絵を描き始める。

「何してるの?」横にいたショーが顔を覗かせた。

「みんなにはまだ言ってへんかったけど、俺の能力は描いた絵を実際に現実にする事が出来る。鳥や戦車、人とかもな。描いた絵のレベルによって、出てくる強さや能力も変わってくるんや」

「紙飛行機?」

「そや! ウルフが言った自分への気付きをリボンへと届けるんや! リボンがどうしたいか俺たちの想いを!!」


本間は金色の紙飛行機を青空目掛けて投げつけた。ほのやかな風に乗って熱くみんなの想いをのせた紙飛行機はリボンがいる二階の窓へと降り立った。

「届けこの想い! 絵は魂を熱くさせるんや!!」

リボンは金色の紙飛行機を手に取った。紙なのに今まさに作られたみたいでとても暖かった。一つ一つ紙飛行機を解体し、文章をゆっくりと読んだ。

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