表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
69/153

第六十九話 バーナーの逃亡②

「はぁはぁ……あの女やっぱり油断できなかった。スパイダー様に報告しないと……」

バーナーは居酒屋が立ち並ぶ小さな路地を左へ右へと突き進んでいった。

「駅まで行けば大丈夫だ。奴らも一般の前では無茶な行動は出来ないだろう……」

「そうはさせないよ!」

ショーはアパートの二階から飛び降り、長棒をバーナー目がけて振り下ろした。が、間一髪で交わされてしまった。

「ちっ!! さっき撒いたはずなのに……」

バーナーはショーが体勢を整える前に、左の狭い路地へと入って行った。

「待て! 逃がすか!」


「俺のスピードに奴らは追いついて来れないはず……なのになぜ平然と先回りする事が出来るんだ? 狭い路地と階段で出来た複雑なこの地域を探す事は容易でないはず……」

バーナーは前を走りながら、何度も後ろを振り返った。やはりショーやその他の者が追ってくる気配はない。なのに…

「ここは通さないぞ!」

「ちっ! またお前か!」

(いつも現れるのはショーと呼ばれる小さいガキ。なぜだ? なぜあいつだけが先回りしているんだ)

「デジャヴか? それとも俺が幻惑に惑わされているのか?」

バーナーは走り慣れたはずの路地でさえ、疑問に思うようになった。あの赤い煙突の温泉……

「いつの間にか、駅から離れているぞ」

「見つけたぞ、待て~」

振り返るとマゴが後ろから追っかけていた。手には手刀が握られている。

「ああ~もう。奴ら、マジだな。巣に戻って応援を呼ぶしかないか」

バーナーはさらに加速し、マゴを振り切ろうとした。


「あれ、ここ行き止まりだったか?」

いつも慣れているはずの路地。しかしそこには二メートルほどの壁が立っていた。

「ちっ! 右へ回って通り抜けるか……」

右へ回って走りぬけようとした時、目の前には本間が立ちふさがっていた。

「ごくろうさん。もう将棋も詰め所やな」

「ちっ!」

後ろを振り返るが、マゴと合流したショーの二人が立ちふさがっていた・

「追いつめたぞ!」

バーナーは三角飛びを試み、二階の窓へ飛び移ろうとしたが、雨に触れた壁で足を滑らしてしまった。

もう目の前には三人が立ちふさがっていた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ