第五十六話 三つの約束
「3つの約束…」
2人はアイの言った言葉をただただ復唱した。
「そう3つの約束。1つ目は私を仲間として迎えいること!! あなたたちの罪が消えるまでずっとね!!」
「えっ!?」
2人はお互いに顔を見合わせる。アイは間髪いれず話続ける。
「そして2つ目。私のマネージャー金城真も仲間として迎えいること!!ヒーローとしての能力はないけどみんな平等に扱うこと!!」
今度はマネージャーが顔を見上げた。相談がなかったようでマネージャーもあっけに取られている。
「そして3つ目…そこにいるのは分かっているのよ。本間君出てらっしゃい!!」
アイは2人の真後ろの柱の方を見ながら呼んだ。呼んだ瞬間柱の後ろから黒い影がスっと出てきた。その顔には少し見覚えがあった。初めてアイの文化祭ライブにてホール前でぶつかったあの青年だった。
「わかってたんですか…」青年は関西なまりの言葉でうじうじしながらこちらへ寄ってくる。
「彼を仲間にすること!!彼は私の良きファンとしての第一人者であり、ヒーローでもあるの。ちょっとストーカーぽいけど
良い人よ」
「アイちゃん、まさかこいつらの仲間になれって言うんですか?」
青年もまた度肝を抜かれた感じで言う。
「そうよ。あなたも私と同じ孤独な人…孤独なヒーローよ。でもこの2人のチームに入れば必ず報われるわ。あなたも仲間の大切さがわかるはずよ」
「なんや分らんけどアイちゃんがそこまで言うなら…」
青年はアイの嬉しそうな声に少し照れた。
ショーとマゴは一連の流れを見守っていた。
何が何だか分からない状況で、急に大きな地震が来て、脳震盪を起こした感じだ。しかし2人はこれだけは分かっていた。逮捕されずに済む。助かったんだと…
「じゃあ、これからヨロシクね!!」
アイは満面の笑顔を見せた。
2人の心はまだ状況を掴めないまま取り残されていたが、2人も満面の笑顔を返した。