第四十六話 ドキドキ侵入編②
「キミたちがヒーローと知って気になってね…後をつけて来たんだ。何をしようとしている?」
「いやーちょっと、そのー」
二人はしどろもどろになった。無人島にて助けに来た小舟が目の前で沈んだような気持ちだった。もう駄目だ。アイちゃんを仲間へ入れる事も出来ず、自分たちは警察へ突きつけられようとする運命なのだ。
「ここでは話が出来ない。ホール内の控室へ行こう。あそこなら…人がいない」
マネージャーはそういうとスタスタと歩き始めた。ショー達は今なら逃げれるのでは…と思ったが、ウルフ達の困惑した顔が頭に思い浮かび、覚悟を決め、マネージャーについて行くことにした。
ホール前では握手会の行列がいなくなっており、駅へ帰る人が多かった。ホール前のがらんとした静けな風景が二人の胸をより締め付けた。
控室へ着く前にショーは考えた。これからの家族の事、自分の人生がどうなっていくのか、学校は辞めないといけないのか…控室にはアイちゃんがいて、目の前で土下座をさせられるのか、とにかくどれを考えても最悪のイメージしか思い浮かべなかった。
控室には誰もいなかった。ショーはまずは少しほっとした。しかしマネージャーは控室のドアを内側から鍵をかけ、誰も入れないようにした。もう終わりだ。そう思った瞬間…
「是非、是非協力しますんで、アイを助けてあげてください!!」
「へっ!?」
二人は顔を見合わせた。宝くじに当選しました的な不思議な感覚が一瞬胸によぎる。