第四十五話 ドキドキ侵入編①
「シィー、声がでかいよ。こういうのは隠密行動でしなくちゃ。ばれたら不法侵入で捕まっちゃうからね」
「そんな奇抜な発想する方もどうかと思うよ」ショーは怒られ、少しムスっとした顔をする。
「色々考えたがこれしか思いつかなかったからな。それよりもトイレの場所は分かったか?」
「うん、滞在場所に変更なければプリンスホテルの503号室だよ。そこがアイちゃんの今日泊まる…部屋だ」
ショーは何か犯行じみた行いで胸がドキドキする。あながち発案したマゴの顔を見ても、同じような気持ちが伝わってくる。
「よし、作戦はこうだ。まず俺たち二人が部屋に潜入する。もちろんアイちゃんがいない時にだ。そこで彼女が大切にしていそうなモノを見つけるんだ。彼女が好きなモノでもいい。とにかく関連しそうなものだ。それを元に彼女に再アタックする」
「そんな事でうまくいくの?」
ショーはとてもじゃないが妙案とは思えない。
「一人狼でいる奴は神妙に何かを隠したり、大切にしているものが多いと聞く。あとは他者を信用しなかったりな。自分達が彼女の好きな事やものを提示する事によって、私たちは味方ですよとアピールするんだ」
マゴの言っている事は最もらしいが…ショーは深く考えたが、それ以外の案はないと判断し、マゴに従う事にした。
「よし。今夜18時から同ホテルで雑誌のインタビューがあるみたいだ。その隙に…狙うぞ!!」
「一体何を狙うんだ?」
足音とともに弱そうな男の声が聞こえた。
振り向くとそこにはスター☆アイのマネージャーが立っていた…