第三十六話 倒せ!!ミイラ軍団
「なんだ!?」
皆顔を見合わせて携帯を取り出した。
「第一中学校にてミイラ軍団が押し寄せて来ている。ただちに出撃せよ!!」
「僕たちの学校だ!!」
ショー達はお互いの携帯画面を見合った。内容は同じである。
「何で私たちの学校に…」
リボンは不安げな顔をする。また人がいなくなったらと考えてしまう。
「詮索は不要だ。今からみんなで学校へ向かうぞ!!」
ウルフは喝を入れ、席を立つ。
「ごめん、私はパス」
意気上昇の空気を潰したのはマリ姉だった。
「なぜだ!」
ウルフは噛みつくような感じで云う。
「今から仕事に行かなくちゃいけないから…私もその学校の卒業生だから思い入れはあるけどとにかく無理。また今度来るわ」
マリ姉はそう言って、服を整え席を立った。皆は彼女が店を出るまでじっとそれを眺めていた。彼女のほのかなラベンダーの香水の香りだけが席に残った。誰も彼女に対して何も言えなかった。
「何て人なの!!」
珍しくリボンは憤慨した。
「学校が危機に瀕しているのに…」
「とにかく学校へ急ぐぞ!! 時間がない!!」
ウルフの掛け声で皆は目的を思い出し、すぐさま学校へ向かった。
四人は学校に辿り着いた。空には暗雲が広がっており、今にも雨が降りそうだ。運動場にはミイラが何十匹かうよめいており、校舎へ侵入しようとしている。
ウルフは金属バットを片手に
「俺が校舎の中に入り、人を救出してくる。リボンお前は俺の援護をしてくれ!! ショーとマゴは運動場のミイラを倒しつつ、正面玄関で敵を食い止めてくれ。皆が救出出来たらすぐに行く!!」
「ラジャー!!」
ウルフとリボンはミイラの攻撃を避けつつ、校舎の中へ入っていた。
「ショー行くぞ!!」
「おう!!」
マゴはミイラ軍団へ突っ込んで行った。ショーはミイラの頭めがけて蹴りを入れた。命中はしたが手ごたえの感触が全くない。包帯の中は空洞になっており、包帯はパラパラと地面に落ちた。ショーはきょとんとしているともう一体のミイラに後ろから首を掴まれた。もの凄い力だ。
「テメェー!!」
バシっと音がし、また包帯がパラパラと地面へ落ちる。ショーは息を整え、マゴの方を振り返った。マゴは手に木刀をもっており、上段の構えで攻撃の体制を整えている。
「大丈夫か?」
ショーはその武器を見てふと思い出した…そう言えば…?




