第三十四話 新たなる仲間①
「マゴ…」ショー達は学校へ戻ることにした。
空は曇り空がかかり、辺りは少し暗くなっていた。その暗がりがマゴの気持ちをさらに落ち込ませた。
「アイドルって…いろいろあるよね。だから…もっといいアイドルいるんじゃないかな」
「スター☆アイ…あの子は昔あんな娘じゃなかったのに…どうして…」
遠吠えのごとく消え入りそうな声でマゴは呟く。2週間であの子の全てがわかるのかとショーは内心思った。
「とりあえずウルフへ報告するね」
ショーはこの場の雰囲気を脱したいと思い、たまらず携帯を取り出し、ウルフへ連絡した。
「おお、ショーかそっちはどうだ?」
「特に問題はないです。ただマゴがちょっと…」
「何かあったのか?」
ウルフは真剣な口調になる。
「あったというか…スター☆アイの本性を知って落ち込んだというか…そんな感じです」
「お前たちアイに会ったのか?」
ウルフの声のトーンが上がる。もしやこの人も…
「えっ!?ご存じなんですか?僕たちはたまたまライブで見ただけで」
「知っているぞ。なんせあいつはわがまま娘で有名だからな。ヒーローとしての能力があり、何度か引き入れをしてるんだが難しくてな。あの子は一匹オオカミだからな」
「あの子もヒーローなんですか?」
ショーは携帯で話す以上の声で話した。
うつむいたマゴの顔も少しは驚いているようだ。
「そうだ。その件も気になるが、こっちは新しい仲間が入ってな。早く紹介したいんだが、今から来れるか?」
「はい」
ショーはマゴの方をちらっと見ながら、「今から行きます」と言った。
「よし、三丁目のGTというカフェにいるからお前の能力ですぐに飛んできてくれ」
「わかりました」
ショーは携帯を切り、マゴの方を向いた。
「今から…ウルフ達の所へ行くから…新しい仲間入ったんだって。だから…元気出せよ」
「うん…わかった」
マゴは今出来るだけの精一杯の返事をした。
二人は近くのコンビニへ行き、トイレへと入った。ショーの能力でGTへと瞬間移動をした。
「ムーブ・ザ・ベンチ!!」