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孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
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第二十五話 体育倉庫裏の攻防戦

「おい、聞いたかよ」マゴは小声で言った。横でショーは無口で頷く。


「お前の能力にビックリしたよ。まさか便器と話せる力があったとは…」


「うん、1階男子トイレの『K1』が女の子の悲鳴を聞いたと言っていた。そして体育倉庫近くのトイレ『LG3』が男が何やらぶつぶつと話す声を聞いた。同じ犯人が行動していると思って、」


「便器の名前は品番か、お前らしいな…」マゴはくすっと笑った。


「どうする?」


「そうだな。今から飛び込んでショーが教頭の注意を少しの間引きつけてくれ。その間に俺がリボンの目隠しとタオルを取る。口が使えるようになれば身動きが取れなくてもリボンは応戦出来る。3対2で俺たちが有利に戦える」


「分かった。その作戦で行きましょう」ショーは気合を入れた。


「1、2の3で行くぞ」マゴは準備を整える。

「1、2…」


「その作戦失敗だな…」


突如後ろから声が聞こえ、ショーとマゴは頭を殴られた。


「ぐわっ」2人は同時に倒れ、その音で玉井に見つかってしまった。


「教頭先生、やっぱり仲間がいましたよ」


「おや、御苦労さま」玉井はニヤっとして言った。



ショーとマゴは砂場の横で座らされ、ロープで縛り付けられてしまった。解こうにも大縄のロープなので大男でさえも抑えつけられてしまうだろう。


「君たちは彼女が死ぬのをここで見ておきなさい」

教頭はワームに何やら念を送り、力を注いでいる。


「やっぱり狛犬は使えない奴でしたね。ブラック・i団の存在を知らせてしまったので…」

少年は言った。殴りかかってきたそいつは狛犬と一緒にいた猿山だった。横に大雉もいる。


「余計な事をするからだ。もうそいつはこの地中深くで息絶えているがね。お前たちも気をつけろよ。まぁ今回の手柄は称賛するがね」玉井はパチパチと手をたたいた。


「まさか…お前もブラック・i団だったなんて」

ショーはくやしそうな顔をする。


「驚いたのはこっちだぜ。弱虫の水飴がまさかヒーローとは思ってもなかったよ」

猿山は近づき、ショーに蹴りを入れた。


「ぐっ!!」ショーはわき腹を蹴られ、顔を沈める。


「やめろよ!こんな事をして楽しいのかよ」マゴは激怒した。


「楽しい? あぁ、楽しいよ」猿山はなおも蹴りを入れ続けた。


「もうやめなさい! そろそろ彼女を地中へ送りますよ」

玉井は念をやめ、こちらへ近づいてきた。


「さぁ、ショータイムよ」

その瞬間ワームは唸りを上げ、リボンめがけて突進してきた。玉井たちはにやっと笑い、この光景を眺める。ショー達は顔を下げ、絶望感に浸った。


(食われる…!!)


誰もがそう思った…、


しかし目を開けるとそこには…自分たちが思っていた光景とは違った。


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