第二十話 ニックネーム大会
「ニックネームですか?」翔太は聞きなおした。
「そうだ。仲間同士親しくするという意味もあるが、これから戦いをする上で本名を悟られるのは避けた方がいい。そこでだ」
「ちなみに皆さんはどんなニックネームなんですか?」
「俺はマゴだ」立石は親指を突き出し、イエイのポーズをとる。
「私はリボン。シャボン玉の『ボン』とリボンの『ボン』を組み合わせたの
玲奈はリボンを触りながら言った。
「各々が能力と関わる名前を付けている。ちなみに俺はウルフだ」
「先生はオオカミ男になれる能力なんですか?」翔太はぎょっとして言った。
「いや違う。俺はこのモミアゲが長いだけだ」先生は自慢のモミアゲを見せた。
「そんなことよりも水飴のニックネームを付けよう。みんなで意見を言い合い決めるんだ」
「自分で決めますからいいですよ。」
「駄目だ。同じ仲間なんだから俺たちにまかせとけ。水飴の能力は便器に関する移動だから…」
こういう時の仲間の使い方はどうなんだろうと翔太は一瞬思った。
「ジャスティスなんてどうですか? 便器を守り続けるヒーローとして」
立石はこれだという顔をした。
「私はブルーバードがいいと思う。便器間を鳥のように自由に移動できるから…」
玲奈は鳥を思い浮かべていった。
「俺はシンプルにジャーがいいな。トイレを流す音のさ。水飴どれがいいと思う?」
先生はこの3つから選べみたいな言い方をした。
「すいません。正直どれも嫌です。単純に翔太の『ショー』がいいんですが…」
みんなは少し落ち込んだ。自分のニックネームを採用して欲しかったのだろう。
「水飴が『ショー』がいいのであれば仕方ない。今日からお前はショーだ。よろしくな」
「はい!!」ショーは元気よく返事をした。
「よし。今日はこれで解散だ。今日はゆっくり寝ろ。明日から本格的に裏ヒーロー部は活動する」
「わかりました!!」三人は返事をし、出て行った。
「これから忙しくなるぞ。未来の世界はこの裏ヒーロー部に懸かっている。俺もリーダーとして頑張らなければ…」ウルフは強く拳を握りしめた。