表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
150/153

第百五十話 極刑の間③

「一体何が起きてるんや!」


ウルフの大きな声にアイはビクッと目を覚ました。


「水が流れて来てるわ、それも大量にね。しかもフッ化水素が大量に含まれているから、身体が溶けちゃうわね」

「フッか水・・・何やそれ?」

「毒性の強い液体の一種よ。人体に影響を及ぼし、皮膚を溶かす。噂には聞いてたけど、まさかこんな部屋があったとはね」

「感心してる場合じゃないですよ。晴子さん助けて下さい!」


アイは泣き入りながら叫んだ。


「それがダメなのよ。あなた達の手錠を外そうにも鍵がないし、助けを呼ぼうにも部屋を調べ尽くしたけど出口は天井の扉しかない」


水かさがどんどんと増していく。鉄くずは硫酸で一部が溶け、動物と思われる骨は行き場のない幽霊船のようにプカプカと浮いている。


「もうちょっと生きたかったなー」

「やめて!! わたしもっと生きたいのに!」


ウルフとアイの立場が逆転した。ウルフは死にアイは生にしがみつこうとしている。二人は目の前にいる晴子よりも神様の出現を切に願った。


「晴子、助けてあげてもいいわよ。ただし私たちを助けてくれる約束をしてくれたらね」


晴子さんはここぞとばかりに清々しい顔で言った。晴子おばさんは一瞬神様になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ