第百四十五話 脱走ロワイヤル④
三人は②の門へと辿り着いた。ゆっくりと門を潜ろうとするアイを晴子は止めた。
「残念だけどアイちゃんはここまでね……この門は潜れないわ」
「なぜなの?」アイはとまどいを隠せなかった。
「門はね、二人で潜らないといけないの。そうしないとキマイラがいる極刑の部屋へと落とされるの」
「①の門は……①の門は一人でも通れたよ。なぜなの?」
「もう一人のパートナーが近くにいたのよ。二人で脱出するのがここのルールなの」
「そんな、ここで終わるなんて」アイは膝から落ちた。もう希望がなくなり、走る気力さえ失っていく。
「でも、そんな問題朝飯前やけどな」
ラッシュはスケッチで分身を創り出した。見た目も声も同じ、ラッシュそのものである。
「まぁ!!」晴子は目をまん丸にして言った。「頼りない男が二人いるわね」
「おばはんも二人にしたろっか?」ラッシュは怪訝な顔でおばさんを睨んだ。
晴子はその言葉を無視し、門へと進んで行き、ため息をついた。
「あぁ~私にもキマイラを倒せる力があったらね。一瞬でこの工場を出れるのに……」
「なんだって!!」アイとラッシュ二人は晴子へと近付く。
「どういうことなの? 晴子さん教えて」
「あんたたち知らなかったのね。実は⑦つの門をくぐって脱走も出来るんだけれども、もう一つ手があって、キマイラを倒すと無条件で脱走出来るのよ」
「そうなの? どうやってキマイラのいる部屋へ行くの?」アイとラッシュは目を輝かせながら話の続きを待つ。
「違反をしたら誰でもいけるわよ。例えばパートナーなしで門をくぐったりとか……」
「よし!! これで脱出できる!!」
二人はガッツポーズをした。晴子は自分と二人との温度差にきょとんとした。




