表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
142/153

第百四十二話 脱走ロワイヤル①

部屋中に警報が鳴ったかと思うと、一斉に牢屋のドアが開かれた。人々が声を出しながら出ていく足音が聞こえてくる。


「どうなってるの?」アイはその足音に負けないくらい大きな声を出した。


「時間がない、走りながら話す!! まずは……これを!!」


急に手の自由が利かなくなった……っと思ったら、手錠をかけられた。


「なにするの?」


「これがルールなんだ。グズグズするな、時間がない!!」


勢いよくドアを出て、二人は左手側へと走った。同じ囚人達が血眼になって走っている、その姿の中にはラッシュもいた。


「ラッシュ!!」アイは叫んだ。


「相手チームと手を取り合ったら駄目だ」陽平は身体を前へ出し、遮断した。


「どうして? 説明して!!」


「ルールその① 脱走出来なかった者はキメイラ化される

 ルールその② 相手チームとの協力プレーは認めない

 ルールその③ 手錠を外した時点で二人は失格となる」


「どうして、こんな事を……」


「奴らの遊びさ、僕たちが必死に逃げる姿を奴らは楽しみたいのさ。生にしがみつく人間の最後の姿を……もちろん奴らも僕たちを逃がさないように追ってくる。奴らと戦わなくてはいけない、死んだら終わりだ」


「じゃあみんなと一緒に囲まって動けば」


「奴らの的になりかねない。全員で捕まってしまえば終わりだ。こんな方法はあるがな……」


陽平は前に走っている二組に足を掛けた。二組は綱に引っ掛かた無邪気な獣のように転んだ。


「あっ!! なんて事を……」アイはこけた二組を振り向いた。



「これがここで生き残るゲームなんだよ。他人なんてくそくらえだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ