表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
140/153

第百四十話 掟破りの工場③

アイは目を丸くした。小柄な眼鏡をかけた青年(おそらく同年代)は臆することなくアイをただ見つめている。強姦する事も、手を差し伸べて助ける事もなく、ただ見つめていた。


「……どういうこと? ここはどこなの?」慎重に言葉を考えながら話した。


「ここは掟破りの工場……の中の牢屋さ。君たちも眠らされる前に名前くらいは聞いただろ?」


「殺されるの? 何されるの? そしてあなたは誰なの?」アイの目の色が変わり始めた。


「ストップ!! ストップ!! 能力を使うのは禁止されてるんだ。全部話すからただ聞いてくれ。僕は君の味方だ」


青年はアイから離れ、壁にもたれかかり、降参のポーズをした。ボロ切れの布で出来た服からは無数の痛々しい傷が見える。


「わかった……陽平くん、話を聞かせて」アイは目の色を元に戻した。


「アンビリバボー、凄い能力だね、君。おっとここで能力の話はNGだ。先を進むとしよう」


陽平はどこから話そうと迷いながら、ゆっくりと話を切った。


「ブラック・ⅰ団の悪事は深刻化している。今まさにヒーローが悪をやっつける報道が何度か報じられているが、それは上辺に過ぎない。本当はブラック・ⅰ団の方が圧倒的に勝っているんだ。彼らは能力のない人間を、心を操って誘導し、仲間に加える他、新しい戦力として研究を進めている事があるんだ」


「研究?」


「そうだ。キマイラ計画と彼らは呼んでいる。それは人の遺伝子を動物に組み込み、獣人間として育てていく。君たちを引き連れたネコの顔と戦車がくっついた者を見たか? あれがそうだ。元々は人間なんだが奴らが遺伝子を操作し、研究し続けているんだ」


「奴らの目的は?」


陽平の顔は青ざめていた。何か自分に危険が感じるようにブルブルと震えている。



「人類キメイラ計画……その主幹として動いているのがこの工場なんだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ