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孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
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第十一話 用具置場

放課後のチャイムが鳴った。

学生達は部活へ向かう者や帰宅をする者で下駄箱が賑わい、一時の祭りのように混み合う。

翔太はただ一人で教室に座ってみんなが帰る姿を眺めていた。

「友達と一緒に帰るのってどんな気持ちだろ?」

久しく味わっていない感覚が心にぽっかりと穴をあける。寂しく孤独な感じだ。

翔太は憂いを感じながらかばんを手に取り、職員室に向かう事にした。

職員室のドアを開け、時寺先生を訪ねると先生は少し忙しそうにしていた。

「ちょっとこの書類を整理するから、待っててくれよ」

翔太は頷き、職員室の前で待つ事にした。

職員室の前で待っていたら、同じクラスの生徒が何人かすれ違った。

同じクラスなのに無視する者やひそひそと「あいつ何やらかしたんだろう」と陰口をたたく者がいた。

「おう。待たせたな。それじゃあ行くか」

先生は一仕事を終え、そう言うと歩き出した。どこへ向かうか分からなかったが、翔太は後をついていくことにした。


到着した場所は一階の柔道部のそばにある用具置場みたいな所だった。

「よし。着いたぞ」時寺先生は満足そうな顔を見せる。

「あの~、ここ用具置場ですけど…」翔太は怪訝そうな顔を見せる。

「そうだ。ここが我が裏ヒーロー部の部室だ。校長先生にも承諾は得てんだぞ」

先生は調子のいい声を上げ、ドアを開けた。右側の壁にはゴミは捨てないでくださいの表札が目に映る。中に入ると用具置場かと思ったが、8畳くらいの大きさの部屋であり。真中に会議用の机が四角形を描き置かれている。右隅にはロッカー室が4~5個あり、部員らしき名前が書かれていた。

「そこに座ってくれ。今お茶を入れるから」

先生は慣れた手つきでお茶を入れる。

「他のヒーロー達がいないんですけど、もうちょっとで来るんですか?」

「ん!?ああ、今日は私用の用事があると言ってな。来られないんだよ」

ヒーロー活動よりも用事を優先させれるってどんな部活だよと翔太は思った。


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