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孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
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第百三話 スパイダーの行方③

「まさか速攻ではめられるとはな」

ラッシュは全速力で廊下を駆け巡る。大理石の床に響く足音が自分の存在をそこに示していてままならない。


「どこに向かってるの?」アイは肩で息をしながら走る。


「わからん! とりあえず出口見つけな袋叩きや。次は左行くで」

何重通路に渡る廊下を左へ右へと走る。場内は迷路になっており、北がどちらの方角さえかもわからない。


その時突然ウルフの携帯が鳴りだした。


「もしもし私だ。おうキンジョーか! 一体どこにいる?」


「すいません、今ホール近くのトイレにいます。ホール内はパニック状態で一時は騒然としてました。そちらは大丈夫ですか?」


「こっちはまずい状態だ。今出口も分からず逃げ迷っている。追っても来てるから時間の問題だ。何か名案はないのか?」


「そうですね……名案はないですが策はあります。いやむしろこの状況は予想していました」


「どういう事だ? 一般客が入りだした混雑時に紛れて忍び込む作戦じゃないのか?」

「その作戦で考えてました。ですが相手の罠も考慮して追い回される状況もよんでました」


「本当にすごいな」ウルフは電話越しにキンジョーに尊敬の念を抱いた。


「なんせ軍師キンジョーですから」



「のんびりしてる場合か! 早くどないしたらええねん?」焦りのつもった表情でラッシュは急かした。


「そうですね……では、まずラッシュにお願いがあるのですが、みんなの分身を作って頂きたいのです。そのまま真っ直ぐ行くと左と右へ曲がるT路があります。右が外への出口となっているのでそちらに分身を、左の方がスパイダーがいる部屋に繋がっているのでそちらに皆さんは行って下さい」


「えっ!? 逃げるんじゃないんですか?

」マゴはいつの間にか無線機を取り出し、会話に入ってきた。


「敵の本拠地に入り込むには今が絶好のタイミングです。外は難所で一度出ると二度入る事はもう難しいでしょう。侵入し、敵のボスを叩くというのは思いもしないですから」


「キンジョーって意外に大胆不敵だね」

リボンはアイの横でくすくすと笑っている。


「そう言って頂けると嬉しいです。昔は夜這いのウルフとも言われてました……昔の事はさておき、皆さん今こそ作戦の実行です!!」



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