表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なヒーロー達  作者: 林 秀明
100/153

第百話 仮面舞踏会

「正面から突入するって……玄関のチャイムを鳴らすの?」


「そうです。正攻法で行きます」


「そんなんで勝てるか! 自分ナメてんのか!」ラッシュは荒々しい口調で言った。


「最後まで話を聞いてください。本日古城では仮面舞踏会が開催されると聞いています。スパイダーいわば高倉はその当主として客人を招き、盛大なパーティーを催します。我々はその客人の一員として仮面を装備し、中に入るわけです」


「そのリスクは? 罠かも知れないぞ」ウルフは怖い表情で見つめる。


「百も承知です。我々以外にも客人が来るわけですが、全員ブラック・ⅰ団の団員かもしれません。それでも……」


「リスクの上に、勝利があるのですね」リボンは結論を言い、キンジョーはゆっくりと頷いた。


車はなおも山道を駆け上っていく。両脇の森が少し開けたかと思うと、目の前には二つの塔が特徴的な城が見えてくる。


「もうすぐですね。時間がありません。簡潔に作戦を言います」


キンジョーの冷静な熱意のこもった言葉に一同はみなゆっくりと頷いた。



古城の前には高級そうな車が何台も停まっていた。おおよそ三〇名ほどの人がドレスやタキシードを身にまとい、仮面を装い高貴な貴族を演じている。受付をしているのか門へと続く列がすぐに見てわかった。


「どうやって申し込んだんですか?」マゴは自分が場違いな所にいることに恐れ、身を縮めた。


「こう見えて顔が利く方でね。知人を辿って行きついたのさ」キンジョーは黒い箱から仮面を取り出し、みんなに渡した。


「服装はこのままでいいの?」アイは怪訝な顔をした。


「大丈夫です。今は富裕層の受付をしていて、後から一般の人の受付が始まります。誰でも楽しめるをモットーに主催した舞踏会ですから」


「富裕層か、一部はボディーガードもいるんだろうな」リボンはきょろきょろしながら言った。


「おそらくね。もしかしたら味方のヒーローもいるかもしれません。ですがまずは自分たちの任務を全うしましょう」


長蛇の列がだんだんと短くなり、門へと人が入ってくる。



現在時刻は午後四時。舞踏会開催時刻六時まであと二時間を切った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ