表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

春を呼ぶ祭り

作者: わた

「春を呼ぶ祭り」

                   渡邉  文崇





























登場人物、

御園 桂子 年齢87歳 女性 性格おしとやか、勝ち気

 職業無職(元呉服屋さん)軽度のアルツハイマー病

鞍馬 健太 年齢20歳 男性 性格素直、正直者

 職業介護アルバイター 

羽鳥 憲正 年齢35歳 男性 性格慎重、無口、情熱家

職業ケアマネジャースタッフ

桂 ポン八 年齢88歳 男性 性格調子者、明るい

 職業元落語家 病状 軽度の腰痛と関節の不具合等

北島 四郎 年齢89 職業演歌歌手

南 晴美 年齢88歳 女性 性格陽気

宮前 元気 年齢77歳 男性 性格頑固

大野 和義 年齢55歳 男性 性格慎重 職業施設部長

桃井 ランドル 年齢36歳 女性 性格趣味噂好き食べ物

 好き(海外からの留学生) 職業介護

佐々木 州世理 年齢35歳 女性 性格趣味噂好きプラモデ

 ル好き 仕事の信条、きっちりと細かく 職業介護

相馬 美貴 年齢37歳 女性 性格趣味ひと好き 職業介護

増田 朝日 年齢24歳 女性 性格趣味ストーカー職業新聞

 記者

桜井 聖子 年齢18歳 女性 性格素直趣味サボテンを育てる。職業 TVキャスター

大内 曹 年齢18歳 男性 性格細やか職業 TVのカメラマン

早川 孝志年齢45 男性 性格怒りやすい職業 TVの音声クルー

馬場 千里 年齢36 女性 性格真面目職業 TVのリポーター

向井 忠夫 年齢35 男性 性格真面目 職業TVのリポーター

東 馬路夫 年齢 25歳 職業北島のマネージャー

警察官 A

警察官 B


あらすじ

老人施設で暮らす老人たち、しかし日常に退屈した老人たちは、自分たちの半生を綴った映画を取る事を計画する、そのためには、カメラや機材を買うお金自分達の協力者を見つけなくてはならない、映画は果たして完成するのか?映画は誰の手に届くのだろうか?





















第1章「サルビアの花」

   2020年頃の初春、まだまだ肌寒い3月初旬梅の花が

   徐々に咲き始める頃、建物敷地2000坪市内からは30

   分ほどで行ける所に有料高級老人施設「サルビア」がある。

   サルビアの玄関は、ハナミズキやアケビ桜などが道の両端

   に堂々と立っている、アケビなどの根元には、犬草や水仙、

   金木犀の花が咲いている。

   サルビアの敷地内にはテニスコート、体育館、茶室、

   などがある、サルビアの中は三階建てになっており各階

   に利用者の介護度によって階分けされている、一階はレク

   リエーションおよび食堂、事務所やリハビリ用のジムがあ

   る二階三階は、利用者の個室になっており、平均30人以

   上が利用している。そのサルビアの体育館の壇上にて踊っ

   ている三人がいた。足下にはラジカセ、三人は衣装のよう

   な物を来ている、音楽をかけると、キャンディーズの「や

   さしい悪魔」が流れる。

   BGM「キャンディーズ優しい悪魔」

桃井、相馬「あの人はー悪魔ー私をとりこにするーやさしい悪魔ー」

佐々木「レースのカーテンにあの人のー影が写ったら、私の心はもう動かない。」

佐々木「二人の影はやがてひとつの燃えるシルエット」

桃井、相馬「あーあデビルマイスイートリトルデビルあーあ。」

   歌の途中相馬がラジカセを消す、

桃井「ちょっとちょっとなんで消すの?」

佐々木「うーう?あれ音が?止まった?」

相馬「振り付けが違うのよ、マイスイートデビル、の所は腕を立てないと。」

桃井「楽しければいいじゃない?腕の高さなんて誰も見てないよ。」

佐々木「ちがったのかな?これで良いはずなのに?」

相馬「ちがう、もっと可憐に行かなきゃ、もう一回やりましょう。」

桃井「はいはい、でもラスト一回ね?」

相馬「なんで?」

佐々木「あー大変です、大変ですほらほら、時間見てください。」

相馬「時間?あっ。」

桃井「ね?朝礼まであと10分しかないのよ。」

相馬「あんた外人なのに朝礼の時間よく覚えてたわね?」

佐々木「桃井さんはしっかりしてるし別に外人は関係ないじゃあないかな?」

相馬「なにそれ私がしっかりしてないみたいじゃない。」

桃井「働からざるもの食ウベカラズ、口より手動かせです。BGMスタート。」

   桃井ラジカセをかける。BGM「やさしい悪魔」をかける

桃井、相馬「あの人はー悪魔ー私をとりこにするーやさしい悪魔ー。」

佐々木「レースのカーテンにあの人のー影が写ったら、私の心はもう動かない。」

佐々木「二人の影はやがてひとつの燃えるシルエット」

桃井、相馬「あーあデビルマイスイートリトルデビルあーあ。」

佐々木、桃井、相馬「やさしい悪魔。」

桃井、相馬「あーあデビルマイスイートリトルデビルあーあ。」

佐々木、桃井、相馬「やさしい悪魔。」

佐々木、相馬、桃井「iya、iyaグットダーリンどぅどぅ」

桃井、相馬「あの人は悪魔、私を夢中にする、やさしい悪魔。」

佐々木「バラ色の葡萄酒に花びら浮かべればあの人よ、震える小指が。」

桃井、相馬「そう教えるの。」

佐々木「鏡に映る長いまつげのーーうぉーうぉー」

桃井、相馬、佐々木「恋のエトランゼ。」

桃井、相馬「あーあデビルマイスイートリトルデビルあーあ。」

佐々木、桃井、相馬「やさしい悪魔。」

桃井、相馬「あーあデビルマイスイートリトルデビルあーあ。」

佐々木、桃井、相馬「やさしい悪魔。」

   振り付けと歌を一通り終える三人

佐々木「やったー出来たね、完璧じゃない?」

相馬「うーん、もうちょっと色気と笑顔が欲しいわね。」

佐々木「えーいいじゃないですか、桃井さん桃井さん出来ましたよ、完璧じゃないですか?」

桃井「そうですねー、エクセレントです。」

佐々木「私、今だったら武道館でもやれますよ。」

相馬「上がり症のあんたが?でなんてグループ名?」

佐々木「SHP48。」

相馬「48人もいないわよ。」

桃井「意味は?」

佐々木「サルビアホームヘルパーピープル48番地なんちゃって。」

   桃井周りを見ながら。

桃井「後は・・衣装を用意しないと。」

相馬「あんた、どういう衣装用意するの?」

桃井「それは・・・お楽しみです。」

佐々木「あんまり派手なのはちょっと・・。」

相馬「リオのカーニバルみたいの持ってくるつもり?」

桃井「ふふふ・・シークレットです。」

佐々木「えーそんなの持ってるんですか?」

相馬「私は着ないからね、そんなの。」

桃井「ふふふ、そのうち着たくなります。」

   鞍馬健太が体育館に入ってくる、

鞍馬「あのー」

   しばらく無視する三人

佐々木「利用者で誰が一番喜ぶかな?」

相馬「ポン八よやっぱり。」

鞍馬「あのー」

桃井「晴美さんじゃないですか?」

佐々木「ないですよ、ないない絶対ない。」

相馬「桂子さんなんてはしゃぎそうじゃない?」

佐々木「ダメですよ、あの人アイドルはマリリンモンローって決めてますもん。」

桃井「ああ古いアメリカのスターですね。」

相馬「みんなこれが好きってあるけどあの人ぶれないわよね?」

佐々木「ですよねー。」

鞍馬「あのー」

相馬「あれ、だれ?」

桃井「新人さんですよ。」

佐々木「名前は、確か?」

鞍馬「鞍馬健太です。」

相馬「だって、ねえ?誰か知ってる?」

佐々木「まあまあ、で何の用ですか?」

鞍馬「いえ、そろそろ朝の打ち合わせにですね・・。」

桃井「わざわざ余計なお世話をありがとうございます。」

鞍馬「はあ?どうも。」

相馬「かったるいけど行きますか?新人君も来るでしょ?」

鞍馬「鞍馬ですけど。」

佐々木「私、新しい部長嫌いです。」

相馬「陰険で。」

桃井「上から目線で。」

鞍馬「はあ。」

佐々木「現場を分かってないですよね。」

相馬、桃井「右に同じく。」

   第1章終了

第2章「個室と廊下」

   老人ホームサルビアの2階は、利用者30人ほどが利用し

   ている、歩行が困難だったり、寝たきりだったり、歩き回

   っていたりしている老人がいる、常に横には、介助者が付

   ききりの状態で関わっている。老人たちが暮らしている。

   居住スペースは広く100mあるだろう、廊下と20畳ほ

   どの広間、広間には卓球や囲碁や麻雀が置かれている、広

   間のTVからは聞き慣れないニュースが聞こえてくる。大

   音量で。

TV「‥今日午後4時20分頃岐阜県美濃加茂市の住宅街で強盗事件が発生しました。

   車椅子の桂と羽島が後ろから押しながらニュースを聞

   いている。

桂「いやー昔の仲間が心配して来てくれたんだよ。」

羽島「へーえそうですか、大学か何かの同級生ですか?」

桂「大学?はっはっはっ(笑)そんなもん行っとらんよ、昔の芸人仲間だよ。」

TV「現場は、閑静な住宅街で被害に遭ったのは、40代の主婦で、家から出てきた所を。総額20万円ほどうばわれました、その後犯人は、バイクに乗って逃走、主婦に怪我はありませんでした、犯人の特徴は、身長・・」

羽島「へえー桂さんTVに出てたんですか?」

桂「まあな今こんな皺くちゃで声もかすれてるけど、若い頃はもう歩く所歩く所人、人、人の山でな、人気が出過ぎて大変で大変で。」

羽島「あっ自慢ですか?酷いですよ、自分と比べるなんて。」

桂「ほっほっほ、つい済まんね。」」

羽島「でも落語なんて若い人見に来ないんじゃないですか?」

桂「何を言うか?50年前はまだまだ勢いがあったんじゃがな。」

羽島「そうなんですか?」

桂「お客さんがいつも寄席に満員で大にぎわいでな、寄席の外でも大きな笑い声が聞こえてきてな。」

羽島「すごい人気だったんですね。」

桂「まあな、」

   羽島と桂歩いている所を宮前にぶつかる。

宮前「こらー道の真ん中だぞー手あげてわたらんかー車にひかれるぞー」

   羽島桂目の前で止まる。

羽島「すいません、次から気をつけます。」

桂「いつもありがとうございます。」

   宮前そそくさと去って行く

羽島「あーあ、また怒られちゃた、」

桂「あの人ぼけが増したね?」

羽島「ええ、まあ年になればなるほど病気は進行して来ますから。」

桂「あんたらも大変だね?わしらみたいなぼけ達と付き合うはめになちゃって。」

羽島「まあ一言で言えば仕事なので仕方がないです、誰かを助けたいし、そう言えば桂さん、昔の芸人仲間がなんでいらしゃったんですか?」

桂「そりゃあわしの人柄と高座での腕じゃよ、分かるか?若造?」


TV「警察では同様の事件が数件続いている事から、連続強盗犯の犯行とみて・・。」

   桂と羽島一度立ち止まり目の前には桂と書かれた部屋が

   ある。

羽島「はい着きました、お部屋になります。」

桂「おありがとう、あとは。」

羽島「はい、採血と検尿やって、ゆっくりと過ごしてください、夜はお楽しみがあるので、ぜひ。」

桂「なんじゃなんじゃ?」

羽島「内緒です。」

桂「もったいぶりおって、隠しても得な事はないぞ。」

羽島「はは(笑)そうですね、ヒントは「誕生日と踊り」です。」

桂「誰のじゃ??うーん分かったら言うよ、ありがとう。」

羽島「では。」

   桂自分の部屋に入る羽島桂を見送った後しばらく歩く。

   大野と相馬と増田が激しく言い争っている、そこに羽島が

   聞き耳をたてている、羽島壁の影に隠れている、大野身振

   り手振りで説明、相馬はうなずき、増田は頭を下げている。

   増田の手にはA4より小さなノートを持っている。

大野「取材はかまいませんが、あまり利用者の生活について聞かれても困ります、個人ひいては家族の了承がいりますので。」

増田「いえいえ、明日の第一面にお宅の施設がどれだけ成功しているか?というのをのせなきゃならないんですよ、分かってください。」

大野「いえだから」

相馬「施設長、あたしは賛成なんだけど?」

   大野相馬に近づき増田から離す。

大野「相馬君ちょっと困るよ、うちの施設が一番大事にしてきたのは、利用者の満足度QOLを充実させる事なんだよ。」

相馬「えっだってどれだけ儲かっているかを取材させてほしいんでしょいいじゃないの?」

増田「プライバシーにまつわる事は書きませんよ、この超高齢化社会での施設としてのあり方や未來への展望をお聞きしたいので。」

大野「すぐには、困ります皆様の生活をメディアにさらすなんてできません。」

増田「そこの利用者様の生活についてもっと具体的に。」

大野「そうですね、まず安心していただけるように、24時間体制のナースコールにさらに・・」

増田「それからそれから。」

大野「やはり楽しんでいただけるようにお楽しみ会などの企画を・・」

増田「それから」

大野「あっちょっと取材しないで下さい。」

相馬「部長もっとじっくり別の所で話聞いた方がいいんじゃない?」

大野「いいえ、メディアというものは信用できません、結構です。」

増田「お願いします。」

TV「至上二人目の快挙です演歌歌手の北島四郎さんが通算100作連続トップ10入りし、ギネスに認定されました。北島四郎さんの新曲「祭り」は、着うたランキング1位ダウンロード数50万回突破して。」

大野「無理です、しつこいですよ。」

増田「そこをなんとか。」

相馬「私だったらいいよ。」

大野「相馬君、やめてください、いいね。」

増田「お願いします。」

大野「これ以上取材を続けるようだったら警察を呼びますよ。」

増田「・・分かりました、でもまた来ますから気が変わったらお願いしますね。」

   増田静かにその場を去る、羽島見計らって大野に話しかけ

   る、相馬記者を面白そうに見る。

羽島「今の人記者さんですか?」

大野「ああ朝方新聞の記者さんだ、夕刊のトップの記事にうちの事をのせたいらしい。」

相馬「あーあもったいないな、有名になるチャンスじゃない?」

羽島「ダメなんですか?利用者の人は気さくに答えてくれそうですけど」

大野「君たち、あの記者にも言ったけどねメディアを信用してはいけません、物事を面白くするしか能がないのですから事実とは関係なくね。」

羽島「はあ、わかりました。」

   南が交流スペースにて黒電話をかけている、大きい声で時

   に怒りながら、周囲も若干ざわついている。

南「それでね、うん違うのよ、えっだから、違うってここでお楽しみ会があるの、知らないわよ。」

   羽島と相馬そろって近づく、

南「だから、会いたいのよ、寂しいのよ、少しでいいの5分でも10分でもいいから、仕事って何?。」

羽島「あのー」

南「もういいわよ、親の頼みが聞けないのね?わかりました、静かなおばさんでいるから、ええ切りますとも、じゃあね。」

   南思い切り受話器を切る。

相馬「そんなに落ち込まないでください、きっとお仕事の都合が悪かっただけですから。」

   南急に羽島につっかかる。

南「あんたねえ、邪魔しないでよ、大事な娘との会話なんだ、二度と来なくなったら、どうすんの?」

羽島「へ、いや大丈夫ですよ。」

相馬「そうですよ、娘さん晴美さん似てとても気の聞く娘さんですよ。」

南「本当かい?うそじゃないだろうね。」

羽島「娘さんとても美人じゃないですか?」

南「そうだろ、そうなんだよ、昔からとにかく回りに気を配ってきたんだよ、結婚式の時なんか大きな花束と私の大好きなケーキを焼いてくれて、泣けるでしょ?」

相馬「はい、いい娘さんですね。」

羽島「お孫さんは、元気ですか?」

南「ええ、なかなか会いにきてくれなくて・・でもいいの、去年お年玉をあげたの。」

羽島「へえーいくらぐらいだったのですか?」

南「そうね・・・うーん忘れたわ。」

相馬「きっと今度は一緒に来てくれますよ。」

南「そうね、きっとそうよありがとう、じゃあ、気分でも変えてテレビでも見ましょうかね。」

羽島「あっいいですね。」

   三人でテレビを見る。

TV「これに対して北島さんは、「ファンの方々に感謝しています、自分がやって来れたのは皆さんのおかげ。」とコメントまた北島さんが所属している事務所は記念してコンサートツアーならぬ練り歩きツアーを開催するそうです。続いてのニュースは介護保険サービスの見直しです。」

   第2章終了
















第三章「二人」

   風が窓をたたきカーテンが舞い上がっている、ベットの

   脇にある、目覚まし時計が鳴っている。一人の男が老女

   の部屋に入ってくる。

鞍馬「失礼します、もう昼ですよー早くしないとご飯に間に合いませんよー。」

   おもむろにベットから起きる御園

御園「・・・ああ」

   御園周りの景色を驚いた様子で見る。

鞍馬「今日はどうしたんですか?朝の体操も、朝食も歯磨きもせず寝てるなんて。」

   鞍馬部屋の整理を始め時計を止めに行く。

御園「・・いえ私気がついたら寝てしまってそれでね1つだけ覚えている事があってね。」

鞍馬「何です?」

御園「怖い怖い夢を見たのよ、もう身の毛もよだつおそろしい夢だったわ、まずね大勢の男の人に追われてね、私捕まったらダメなのよ、だから逃げたのよ夢中でね、もう他人の家や井戸の中トイレの中にねそれで走っているうちに1つの電車に会うのよ、そこで終わりなの、だけどどこか思い出せないのよ。」

鞍馬「ええー大丈夫ですか、熱でもあるんじゃないですか?」

御園「私?何か悪い事したのかしら?みんな鉄砲もって追いかけてくるのよ、ひょっとして人でも殺しちゃたんじゃないかしら。」

鞍馬「そんな人じゃないですよ。」

御園「そうかしら、ああごめんなさいね、あなたお名前は何だったかしら?」

鞍馬「鞍馬です。」

御園「ああそうだったわ、そう鞍馬さんごめんなさいね、私寝起きはいつもこうなのごめんなさいね。」

鞍馬「いいですよ、あっそう言えばもうすぐ春ですね?」

御園「ああ、そうね春はいいわ、去年の冬は寒くて、かなわなかったから、もううきうきしちゃう。」

   鞍馬部屋の整理が終わり、御園の話を聞く。

鞍馬「春は七草粥に三色団子、桜のお花見に潮干狩りに子供の入学式うきうきしますね。」

御園「ええ、そうね子供はいいわねぴかぴか輝いていて未來への宝物って感じだわね。」

鞍馬「自分も20ですけど、子供の元気には驚かされますよ。」

御園「ほほほ(笑)何言ってるのこれからじゃないあなたは?」

鞍馬「いえね流行に着いて行けないんですよ、AKBやらレディーガガやらなんか昔のが良かったなーってね。」

御園「なんでかしらね?」

鞍馬「年を取ったってことですかね?」

御園「そうは思わないわよ。」

鞍馬「え?」

御園「だってね昔は良かったって、どうしてみんなそう思うのかしら?」

鞍馬「どうして?」

御園「過去の苦労も、突然襲ってきた災害も、忘れられない辛い傷跡も、全部が全部好きだった人の笑顔で忘れてしまう、いいわよね昔って。」

鞍馬「はあ。」

御園「ごめんなさいね、おばさんの愚痴を言っちゃって今日はどうしたの?」

鞍馬「昔何かあったんですか?」

御園「なんでもないのよ、なんでも、それより今日はどうしたの?」

鞍馬「ああ今日の夕方、素敵なお楽しみ会があるのでぜひ来てください。」

御園「そうなのどこでやるの?」

鞍馬「この階の食堂です。」

御園「まあ楽しみありがとう」

鞍馬「では、またさようなら。」

   第三章終了



























第4章「天体観測」

   施設内にあるプラネタリウム今の星の動きだけではなく、

   未來、過去の星の動きを見る事が出来るその数約10万個

   自分中心に寝ながら星を見る事が出来きさらに朝昼夜と

   時間を変えてみる事が出来る。周囲は暗く天井の星だけが

   光輝いている、老人達は寝て見ている職員は既に老人達の

   横にいる。

佐々木「みなさん準備いいですかー今から星の旅へ皆さんお連れしますー」

   佐々木機械の操作をしている。

   周りの星々がかすかに光りだして一個の流星が青白く光

   り大爆発する、太陽系の惑星の図が映し出され、宇宙

   の始まりを表し長い長い銀河の旅が始まる、老人たちは

   みんな可変式のベットで横になっている、それぞれ老人

   の横には職員が着いている。

宮前「ほーきれいじゃな。」

桃井「あっほら蠍座、横には射手座ですよねえ。」

宮前「ほーそんな星座があったんじゃな、ほーあんな空高く飛んで事故に遭わんのかな?」

御園「あら、これは夏?の星座かしら?」

鞍馬「はい、こんなにはっきり見えるなんてなかなかないですよ。」

御園「ゆっくり星座が見られるなんて幸せ?なのかしら?」

鞍馬「当たり前じゃないですか?星がゆっくりと動く様、宝石のように光る様、時間をかけて見れないですよ、忙しくて忙しくて。」

御園「そうね。」

南「ねえ羽島さんあの星座の名前何かしら?」

羽島「えーとサソリ座ですね。」

南「へーあっ頭が痛くなちゃった。少し光りが強いかしら?」

羽島「そうですか?じゃあサングラスでも?」

南「どうもありがとう。」

   羽島手渡しで南にサングラスを渡す

南「あらー残念。」

   相馬携帯をやりながら過ごす。

相馬「だから静かにしてよ。」

桂「それでよ、これはいいとひらめいたんじゃ。」

相馬「へー」

桂「さっそく高座に使ってみたんじゃ。」

相馬「すごい。」

桂「そしたらな、客は大盛り上がりでな。」

相馬「おっそうきたか。」

桂「聞いとるか?人の話を。」

相馬「全然。」

佐々木「続いて秋の星座です秋は天高くなり星がよりいっそう上がり、幻想的です。」

   プレネタリウムが音を立てて動き出す。

御園「まあゆっくりと変わって行くわね。」

鞍馬「ええ。」

御園「1つ聞いてもいいかしら?」

鞍馬「はい」

御園「星に皺って出来るのかしら?」

鞍馬「皺ですか?ええ、出来ます。」

御園「そう。」

宮前「やめんかー1、2、3、だー。」

桃井「静かにしてくださいって。」

宮前「おおー体を張って止めるぞー。」

   宮前を桃井体を張って止める。

桃井「止めないで、お願いですから。」

宮前「おおー」

桃井「息子さん来られますよ。」

宮前「えっいつじゃ?いつくるんじゃ?」

南「あーあ残念。」

羽島「なにがですか?」

南「娘がね、例のお楽しみ会来ないって言うの?」

羽島「それは、残念ですね。」

南「その事じゃなくて娘に私の生活ぶり見せつける絶好の機会だったの?分かるわよね?」

羽島「えええ?どうでしょう。」

南「ねえ遠くにいる娘に私の姿見てもらうにはどうすればいいと思う?」

羽島「だったらビデオを買ってテープを送ればいいじゃないですか?」

南「あら、いい考えだわ。」

鞍馬「星ってのは、望遠鏡で見ればぼろぼろで最後は燃え尽きて流星になるみたいですよ。」

御園「何も残らないなんて悲しいわね。」

鞍馬「かっこいいじゃないですか、ぱっと散って終わる遠山の金さんみたいで。」

御園「そう?(間)いいわね遠山の金さん、やってみようかしら。」

鞍馬「へ御園さんが?(笑)無理ですよ無理。」

相馬「あおしい、あとちょっとなのに。」

桂「そうあとちょっとだったんじゃ。」

相馬「くそーもう少しでgetだったのに。」

桂「けどな、そんとき師匠に言われたんじゃ。」

相馬「ああもうそんな事言わないでよ。」

桂「まだまだこれからって?なにやっておるんじゃ?」

相馬「美しすぎる韓流GETだぜー。」

桂「ほー。」

佐々木「続いては冬の星座です、冬は小熊座が南の方に一番輝や・•」

   第4章終了





























第5章「事務所」

   御園、南、桂、宮前が深夜こっそりと事務所に侵入しよう

   と身をかがめる、周りにはたまにちらっと懐中電灯の明か

   りがみえる、広い廊下には絵画に花瓶に車椅子がちらほら

   ある、6m間隔で天井に豆電球があり柱にはナースコール

   が設置されている、時間は深夜12時である。

桂「おーいみんなそろっとるか?」

御園「声が大きいですよ、桂さん、今から何をやるか知っていますか?」

桂「もちろんこの施設のお金を奪うじゃろ?」

御園「だからここは、口を閉じてくださいね。」

南「桂さんここでばれたらおわりなのよ、五体満足じゃなくても私たちは、朝には自分の部屋に戻らないとダメなのよ。」

桂「ばれたらどうなるんじゃ?」

御園「狭い家に戻されるか?ここよりも安い所に行ってしまうか?のたれ死になるわね。」

桂「ええー」

   桂の口を二人が塞ぐ。

宮前「しかしどうやったら職員室まで行ける?」

南「この廊下を1直線に進むだけですよ。」

   桂手を払う。

桂「金なんてどうしているんじゃ?」

御園「ビデオですよ、ビデオを撮るためにお金がいるんですよ。」

桂「何に使うんじゃ?」

南「私の娘に送りつけたいのよ、じゃあ行くわよ。」

   4人そろって腰を低くして歩く遠くから話し声が聞こえ

   る、大野と佐々木と鞍馬が廊下の向かい側から一緒に歩

   いてくる。

佐々木「でも、それって違いますよね?」

大野「そんな事ないですよ、やはり施設たるもの毅然とした理念があって・・」

鞍馬「へーそうなんですか?」

   3人が懐中電灯を持って正面から来る、御園、桂、南、宮

   前、廊下にある車椅子に隠れる、大野少し立ち止まる。

大野「うん、今日の夜勤は?」

佐々木「えーと・・。」

鞍馬「羽島さんです。」

大野「そうだそうだ。」

   大野佐々木鞍馬去る、そのとき南がさっと立ち上がる。

南「ああ羽島さん、光が見えるわ、待っててね今行くわ。」

   南ふらっと立ち上がり大野たちについて行こうとする、

   急いで仲間たちが止めに入る。

大野「あれなんかそこ動きましたね。」

佐々木「え、ゴキブリかなにかですか?」

鞍馬「自分見てきますね。」

   鞍馬がゆっくりと近づき懐中電灯を足下から照らして行

   く。南と目が合ってしまいほかの老人たちも驚いている。

佐々木「ねえーゴキブリいたー?」

大野「困るよいたら、大変ですよ佐々木さん掃除さぼったんじゃないの?」

鞍馬「・・いました。」

   御園は、鞍馬に手を合わせている、桂は口に手を当ててい

   いる、宮前は拳を上に振り上げている、南は懐中電灯をと

   ろうとしている。

大野「捕まえられる?」

   しばらく唖然としている鞍馬、夢中で床を足で何回も叩く

   鞍馬。

佐々木「ね、手伝おうか?」

   佐々木近づく。

鞍馬「だめー。」

佐々木「なんでよ。」

鞍馬「大丈夫です、もう殺したから、安心です。」

大野「本当、良かったー。」

佐々木「本当に殺したの?」

鞍馬「殺しましたよ殺しました、もう跡形もないくらいに、大変です、数匹あっちに。」

   鞍馬事務所の反対側、老人たちがきた方を指す、

佐々木「え、本当?大変ちょっと確認してくるわ。」

大野「じゃあ私も、行きます。」

   大野佐々木、鞍馬がさした方向に行く。老人たちは安堵の

   表情を浮かべている。

鞍馬「どうゆうこと?え、これはこれは・・一体一体何やっているんですか?」

   鞍馬早口で責め立てる。

御園「あのね、鞍馬さんこれには深い深い分けがあるの。」

桂「まあ若者ちょっと座れや。」

宮前「あんた座らせてどうする?」

南「どうせなら協力してくれない?」

御園「そうね、鞍馬さん私たちあそこに用事があるの?だからね一緒に行ってくれるといいの?ほんの数十分だけで終わるの、いいかしら?」

鞍馬「ダメですよ、ダメ。早くお部屋に戻りましょう、ね?ね?」

桂「兄ちゃんいいか、もしここでわしら止めたらな、翌朝にはぼけて死んどるかもしれんでえ。」

鞍馬「えーそんなー、自殺でもするつもりですか?」

宮前「まあの、死んで一花あんたの前での。」

鞍馬「困ります、困ります。」

南「そういうわけだから、協力してくれない?」

鞍馬「わかりましたけど用事が終わったら、お部屋に。」

御園「戻りますとも、では行きましょう?ね。」

   御園、鞍馬、桂、宮前、南一緒に事務所に行く一旦暗転

鞍馬「みなさんつきましたよ、さあ早く。」

   御園、桂、宮前、南、堂々と事務所に入る。鞍馬は外で

   見張りをしている事務所の中は、とても暗く一点だけ電気

   スタンドの明かりが点いていて、6個ほど縦にビジネス

   机が置かれている机の上には、いくつかの書類がある、

   奥には金庫らしき緑色のものがある。

桂「この金庫の中か?」

宮前「そうじゃろうか?ありゃこりゃあ空いとるの?」

南「いくら入ってるの?100かい?200かい?」

   金庫の中に茶色の封筒がある。

御園「えーとどれどれ、ひい、ふう、みい、とお、の100万円ね。」

宮前「全部持って行くんかい?」

御園「ええ、さあ行きましょう。」

   隣から言い争う声が聞こえる。

鞍馬「いえ、ですから、電話を取りにきただけで、もう用件は終わってって。」

   鞍馬あわてて口が鳥のように動いている。

相馬「で、その電話の相手は?なんで私がここに入っちゃいけないのかな?」

鞍馬「いや、電話は、あの利用者様のご家族からで。」

相馬「ふーん、でそこ入っていい?」

鞍馬「だめです、でかーいゴキブリがいるんです。」

相馬「新人、嘘はよくない、うそは人をダメにする。」

鞍馬「いえ嘘なんか、ついてません。」

相馬「ははあん、仕事でミスしてそれを隠してるな。」

鞍馬「いえ、そんな。」

   事務所から電話が鳴る音が聞こえてくる。

相馬「あっ出ます」

   相馬事務所に入る。老人たち机の下やほうきの真似

   などをする。鞍馬相馬の後を追う。

相馬「はい、やすらぎの庭サルビアでございます、ご用件は?」

   鞍馬辺りを確認している。

相馬「え?ぼやうちの施設の周りで?大変はい、消防とも連絡、はいありがとうございます。」

   電話を切る相馬

相馬「新人今から一緒に施設の周り見て火があるかどうか見に行こう一応携帯持ってって。」

鞍馬「はい」

   二人すぐに廊下に消えて行く。老人たち机の下から這いずって行く。

南「はあ、助かった。」

宮前「こらー、あぶないじゃないか。」

御園「今のうちに戻りましょう。」

   桂机の下で寝ている。

南「桂さん行きますよ。」

桂「おおすまんすまん」

   四人事務所から出て行く、第5章終了。












第6章「翌朝〜夕方のサルビア」

   一夜明けて施設は電話が鳴りっぱなし職員の言い争いな

   ど施設の中は、大混乱していた、それに先立って施設内で

   は大野が職員を事務所に集め朝の朝礼をしている。

大野「みなさん静かに静かに静かに(間)まず昨日の夜の全容全貌を知りません、事務所のお金はなぜないんでしょうか?」

相馬「なんか新人がこそこそなんかやってたよね?」

   鞍馬あわてて発言する。

鞍馬「あの自分が見たのは10mぐらいの大きい大きいヤギでして。」

相馬「ふーん、やぎねえ?ヤギ、ゴキブリじゃあないんだ。」

鞍馬「はい。」

   佐々木思わず手をあげて

佐々木「あのーそう言えば鞍馬君夜に何か見つけたよね?」

鞍馬「ええ、ええ(声が裏返る)ええ、まあそうです見つけました。」

羽島「で何を見つけたんですか?」

佐々木「ゴキブリがどうとか?」

鞍馬「ええゴキブリがどうとかで、はいそうです。」

羽島「ゴキブリってどんなぐらいの大きさ?」

鞍馬「ええもう、特殊な病原菌をもったゴキブリで。」

佐々木「え?かまれたらどうなるの?」

鞍馬「死にます。」

羽島「そんなゴキブリ叩けばいいでしょ?」

鞍馬「だめですよ、体液から色々出て・・。」

   大野大きく深呼吸して

大野「鞍馬君、はっきり答えてください昨日何を見て事務所のお金がなぜないんですか?」

羽島「素直に答えなよ、悪い事してないんだろ?」

鞍馬「はい、もう全くしてないですよ、これが、そのーどうしたもんか。」

   南が事務所に入ってくる、右手には杖を左手にはメモ用紙

   を持っている。

南「ちょっと職員さん失礼しますね。」

大野「南さんちょっと今は入られたら困るんですが。」

南「そうですかすいませんねじゃあ言わせていただきます、朝の挨拶に朝の体操朝の言葉これがないってどういう事?」

相馬「それは時間を遅らせてやりますから。」

南「あれがないとアタシの朝が始まらないんだよ、どうしてくれるんだい?」

   南メモ用紙を鞍馬に渡す。

羽島「南さん、今日はいいじゃないですか?」

南「ああ羽島さん、ありがとう心配してくれるのねそれだけで100歳まで生きられる、ありがとう。」

   鞍馬メモを見て驚く

大野「とにかく後でもろもろの事はやりますから。」

   大野、南を捕まえて追い出そうとする。

南「ちょっと何するのよ、離してくれ、老人虐待ー虐待ー。」

大野「いい年なんだから、うるさい事言わないでください。」

南「助けて羽島さん。」

羽島「ごめんなさい南さん。」

   羽島南を捕まえようとする。

南「ああこの人殺しー」

鞍馬「待ってください、利用者さんがこういってるんですから、行きましょう南さん。」

南「ありがとうでは失礼するよ。」

   二人そろってその場を後にする。二人と入れ替わりで増田

   が入ってくる。

増田「どうもー失礼しますー記者の増田ですー」

桃井「記者さん今は取り込んでいて。」

増田「いやー聞きましたよ、近くでぼや騒ぎおまけに職員による横領事件酷いですねえ。」

大野「記事にするんですか?やめてくださいお願いします。」

増田「いやいや、(少し下手に出る)これも仕事なんでね、ちょっと前通してください。」

   職員数名仁王立ち、肩は動かず増田とぶつかる形で立って

   いる。

桃井「パパラッチは向こうへ行ってください仕事の邪魔です。」

   桃井増田の前に立つ

増田「きっちり証拠はとれてるんだから、まあ聞いてくださいよ、あれでしょ?ここはそれなりにしっかりしててそれなりにお金もある、だから職員の横領事件なんて事書かれちゃあもう二度商売が出来ない訳だ。」

羽島「商売?酷い!謝って下さい謝れよ。」

増田「なんで?じいさんばあさん死ねばそれだけ儲かるっしょ?ベットが空いて、(間)さあ次の人は?って商売じゃない。」

相馬「あんた命を何だと思ってるの?」

佐々木「利用されている方は物じゃないんです。」

桃井「クレイジーな人ですね。」

増田「まあいいやで提案なんだけど今日の夕方にも施設の記事を乗せたい、たぶんほかのマスコミも同じカメラを回したがってるでしょう?」

大野「はあそれで?そちらにこの問題を暴露しろと?」

増田「いえいえ最初に言った通りこの施設の事を書かせてください、利用されている人たち職員のインタビューも含めお願いします。」

   一同顔を見合せる個々にざわめき静かになったら大野が

   口を開く。

大野「・・・わかりました仕方がないですね、では別室で、ああ君たちは仕事に戻って」

増田「ありがとうございます。」

   大野増田その場を離れる。その場にいる職員は困惑の表情

   を浮かべる一旦半暗転する。廊下では鞍馬と南が大きい声

   を出しつつ歩いている。

南「危ない危ないはあーハラハラさせないで。」

鞍馬「ありがとうございます、どうしましょう?どうしたらいいんでしょう?」

南「全く偶然私が聞いてたから良かったのよ。紙に書いてあるものをそろえてくれないかしら?」

鞍馬「ええーーでもでも僕これからどうしたら?」

南「ああそれとねお金はこちらで用意するから安心して、あと当面はね、連続強盗犯を見たって事を言っておいて犯人の特徴は紙に書いてあるから。」

鞍馬「はい分かりましたって、事務所のお金は?」

南「ごめんなさいね、ちょっと記憶違いかしらお金はまだお返しできないの。」

鞍馬「はあ、そうですか。」

   向こうからコツコツと足音立たせて増田が歩いてくる。

増田「あっ容疑者発見。」

鞍馬「容疑者って違います違います。」

増田「・怪しいなあ、警察呼ぶよ。」

   携帯電話を取る増田。

増田「もしもし警察ですか。」

鞍馬「仕方なかったんです仕方なかったんです。」

南「警察だけはやめて大げさにしたくないのよ。」

   携帯をしまう増田

増田「やっぱりおかしいと思ったわ、フーンそういう事ですか、なるほどね。」

鞍馬「これには深い訳があるんですよ、お願いします今の仕事なくしたらもう後がなくて。」

増田「えっ聞きたい聞きたい、深い訳って?」

鞍馬「・・・言えません本当に言えません。」

増田「容疑者は黙秘かまあいいや、あっそうだ1つ提案なんだけどあなた達の悪巧みが成功したら私に取材させてほしいの?」

南「いいですよ、ただ私たちや私たちの家族が迷惑になる事は困るの、それだけ約束して頂戴。」

増田「いいわよ約束するわ。」

鞍馬「本当ですか、紙かなにかそうだ誓約書書いてもらいましょう?」

南「いらないわよそんなもの。」

増田「じゃあまたね。」

   増田立ち去る。

南「あああとねその紙に書いてある事もなんだけどね、あとは・・。」

   半夕方〜夜の食堂辺りは薄暗く、人の気配はない仕事が終 

   わり机を雑巾で拭いている鞍馬そこに羽島がやってくる。

羽島「お疲れ様。」

鞍馬「ああ先輩。」

羽島「最近なんか疲れてない?」

鞍馬「え別に。」

羽島「そうですか、会社に不満とかある?」

鞍馬「ないですよどうしちゃたんですか先輩。」

羽島「いやないんならいいんだが。」

鞍馬「こう見えて責任感ってやつ大事にしてますから。」

羽島「一端の大人気取り、いい気なもんだなお前事の重大さわかっているのか?」

   鞍馬机を拭く手を止める。

鞍馬「あ・・すいません今は何も言えません。」

羽島「泥棒の責任感って聞かせてもらいたいなぁ、その他もろもろの嘘も、詳しく」

鞍馬「泥棒じゃない。」

   羽島鞍馬の周りを回る

羽島「事務所のお金がないんだぞ俺らの給料、利用者からいただいた積み立て金サルビアの純利益、全てないんだぞ。」

鞍馬「すいません。」

羽島「すいませんで済むか、このまま問題が処理されなければどうなる?」

鞍馬「知りませんよ。」

羽島「知らないで済むかよ、最悪警察の監査が始まるもし証拠が出てしまったらサービスの停止や利用者様家族様の信用がなくなる、当然泥棒は、逮捕される。」

鞍馬「俺は泥棒じゃない。」

羽島「泥棒だろう。」

鞍馬「違う。」

羽島「素直に言えよ。」

   羽島鞍馬に殴り掛かる、鞍馬派手に倒れ込む。

鞍馬「素直に言たっらダメなんだよ。」

   鞍馬殴り返す。

羽島「どうして秘密にするんだよ。」

   羽島倒れながら言う。

鞍馬「守らなきゃいけないんだよ。」

羽島「子供みたいな事言うな。」

   羽島鞍馬を殴る、鞍馬倒れる。

鞍馬「どうして本気出さないの?先輩本気でくればいいのに。」

   鞍馬思い切り羽島を殴る、羽島派手に倒れる。

羽島「いい加減にしろよな。」

   羽島鞍馬を殴り鞍馬その場で倒れる。

羽島「もうここに来んなよ。」

   羽島捨て台詞を吐いて立ち去る。第6章終了。


第7章「サルビアの嵐」

   翌朝どこから駆けつけたのかマスコミが数人サルビアに

   押し掛けた、大野がマスコミを追い払おうとしているが

   いっこうに去る気配はない、マスコミは玄関前に群がって

   おりなかなか去る気配がない最初に出勤してきたのが、

   相馬と佐々木だった。マスコミの姿を見て呆然とする相馬

   と佐々木。

馬場「すいませんこちらで放火があったというのは本当ですか?」

向井「しかも放火と同時刻に窃盗があったという事ですが計画的なのでしょうか?」

桜井「あのー警察の調べは済んだのでしょーか?」

   報道陣が一斉にマイクを大野に向ける

大野「皆さん下がってください、何も答えられないですし、もっと離れて居宅侵入の罪に問われますよ。」

   相馬と佐々木マスコミの横をすり抜けるように通る。

桜井「あなた達はどうー思われますか?」

   相馬、佐々木気付かれる。

向井「あ、この施設の関係者ですか?一言コメントお願いします。」

馬場「窃盗事件があったのは、本当ですか?」

桜井「何か隠してませんか?」

向井「言って疾しい事でもあるんですか?」

佐々木「・・怖いです。」

相馬「あなた達に関係ありません、行くよ。」

   佐々木、相馬もみくちゃになりながらサルビアに入る。

大野「みなさん、今言える事は1つこの施設はご高齢の方の為に全力でやって来ました、その姿勢は今も昔も変わりません。」

馬場「皆様お聞きになりましたでしょうか?経営者の豪腕主義ともとれる発言犯行におよんだ人物の辛さが分かります。」

向井「すいません具体的にどうゆう事で全力なんですか?」

   大野質問攻めに遭う。羽島が堂々と入ってくる。

桜井「あのーあなたは、なんで負傷しているんですか?」

大野「羽島君どうしたんだね?その傷は?」

羽島「通してください。」

馬場「カメラさん撮って早く。」

向井「犯人ともみ合った時にできた傷でしょうか?」

羽島「失礼します。」

大野「みなさん下がってください、下がって、業務妨害ですからこれにて失礼しますよ。」

   大野玄関の扉を閉めて中に入る。一旦半暗転になる、二階

   からそっと外の様子を眺める御園と南周りにには机と椅

   子がある、桂と宮前は楽しそうにカメラを使って遊んでい

   る。桂がカメラを持っている。

南「騒がしくなちゃった。」

御園「ええ、あっ今何時?」

南「11時」

御園「あっそうだった、ごめんなさい。」

南「しっかりしておくれよ。」

御園「ごめんなさい。」

南「あんたがしっかりしてないと私らここを追い出されちまう。」

御園「分かっているわ、失礼しちゃうわ。」

桂「よし、いい感じじゃぞ。」

宮前「撮れとるか、撮れとるか?」

桂「シーン①終了」

宮前「もう終わりか?」

   御園桂と宮前を気にして振り向く。

御園「うるさい、静かにしてよ。」

桂「おお、すまんすまん、続いてインタビューじゃ。ほれ回すからなんか喋ってみ。」

   カメラが宮前に向けられる。

宮前「お、お、えー宮前元気77歳男性、憧れは三船トシロー、趣味は、卓球理想の相手は、藤あい子、おしとやかで清楚で・・・」

   桂宮前を叩く

桂「お見合いじゃないわい。」

   桂南にカメラを向ける。

南「あれもう、回っている?(咳払い)初めまして安らぎの庭サルビアに缶詰にされている、南晴美と申します、いつもいつも孫の事やおじいさんの事や私の相続の事で喧嘩している子供に一言、しわくちゃになっても手がかかっても、嫌いにならないで、ね心配で心配でしょうがないだけなのいつでもいつでもここで我慢して待っているからね。」

   桂自分にカメラを向けて喋る。

桂「えー桂ポン八改め御崎源次、この施設でおもしろおかしくやっている、独身将来の夢は気だての良い奥さんをもらう事。」

   カメラが御園に向けられる。

御園「あ夢ね、そうね、そう夢は遠山の金さんね、桜吹雪を出せば誰でも言う事を聞いてくれる、私は違うのよ、娘いたわね昔、名前をつける前にいなくなっちゃた夫はそうそういるわね、もう何番目か忘れちゃたわ仕事あったわね、大もうけしたわ好きな事なんだったか忘れちゃた、教えてほしいのよ私が何者だったのか?金さんみたいに「これにて一件落着」ってな感じにならないのかな?って。」

   桂感心しながらカメラを外に向ける。

桂「おなんか外が騒がしいぞ。」

   再び半暗転になり表玄関から桃井と鞍馬が歩いてくる。

桜井「来ました、この施設の職員でしょうか?お話を伺ってみましょう。」

   鞍馬桃井呆然として記者を見つめる。

鞍馬「なんでしょうあれ?」

桃井「さあうーんたぶん。」

鞍馬「たぶん。」

桃井「ほら二日後にせまったお祭りの取材ですよ。」

鞍馬「ええーそうですかね?」

向井「お話お伺いしてもよろしいでしょうか?」

馬場「窃盗があったというのは本当ですか?」

桃井「みなさん今度ここで大きなお祭りがあります、知りたい方はぜひ来てください。」

   桃井カメラに向かって。

桃井「みなさんお聞きになりましたでしょうか?2日後に記者会見が行われるようです。」

馬場「二日後です。」

向井「本当に全て明るみになるのでしょうか?」

鞍馬「桃井さん、ヤバいですよ行きましょう、ね。」

桃井「えー違うんですか。」

   サルビアの個室机1つと椅子2つが用意されている。

   そこに相馬と増田が対面になっている。

相馬「取材だよね?早く終わらせてくれない?」

増田「ええ、すぐに。」

相馬「悪いけど、あんまりいい気分してないから、ごめんね。」

増田「はい分かっていますよ、まずあなたにとってここは、どういう場所ですか?」

相馬「お金をもらう所です。」

増田「それだけですか?」

相馬「はい。」

増田「あなたにとってプロとは?」

相馬「時間分の仕事をする人です。」

増田「(ため息)変な記事は書きませんから。」

相馬「いやです。」

増田「そういう姿勢がプロという訳ですね、じゃああなたの生き甲斐は?」

相馬「それ記事にするの?まあそうね一人一人の笑顔と遭える事かな。」

相馬「なるほど。」

   相馬が出て行き、羽島が入ってくる。

羽島「恋人ですか?できる訳ないです、だれかいい人紹介してくださいよ、ええ信条ですか、何でしょう?そちらはどうですか?」

   羽島と入れ替わって桂が入ってくる。

桂「ここが楽しいか?楽しいに決まっとるわい、わしなんか身内

がいないからな余計にな、それに将来は結婚もしたいしな。」

増田「はあ結婚ですか?」

桂「まあのわしもてるからのう。」

   桂と入れ替わって南と鞍馬が入ってくる。

増田「企みは順調?」

鞍馬「ええまあ。」

南「それも記事にするのかい?」

増田「いいえしませんよ。」

鞍馬「良かった。」

増田「さてだいたいネタはそろったから、悪いようには書かないし安心して。」

南「外に群がっている奴ら追い払えないかい?」

増田「ごめんなさい、同業者だからちょっと無理なの。」

南「そうかい。」

鞍馬「どうもありがとうございました。」

増田「いいのよ、では。」

   第7章終了





第8章「祭りの前の」

   サルビア食堂前の廊下に2枚の紙が張り出されている、

   一枚目を見ると謹慎処分の文字名前は鞍馬と書かれてい

   る。職員利用者それぞれ紙をちらちら見ている。

   職員はせわしなく動いているが、利用者は紙をずーと

   見ている。二枚目は、増田朝日の新聞記事だ。

御園「鞍馬さんやめちゃたのね。」

南「違うわよ自宅にとじこもっているだけよ、すぐに出てくるよ。」

桂「そうかい、うん理由はなんじゃ?」

宮前「右の物暴力事件を起こした者だとさ。」

御園「どうしましょう?映画のテープが?」

南「いいさね、まだまだ撮りたいものがあるからね。」

   隣の新聞記事を見る。

御園「あっこの前の記者の新聞記事。」

桂「えーとタイトル(新しい福祉の試み)と理念の実現だってさ。」

南「あーあやだよ利用者の声、自分の記事が乗るなんて。」

宮前「恥ずかしいのかいのう?」

南「違うよ、もっと顔写真もつけてほしかっただけよ。」

御園「あ手紙は、どうだっけ渡した?」

南「あああれ、まあこれだけ有名になればいらないだろうけど渡しといた、」

   TVではしきりにこの施設の事が取り上げられていた

TV「また老人施設で問題が発生しました、高級老人施設サルビアで施設のお金を職員が使い込んだということです、事件が発覚したのは、おとといの夜、犯人は、近くで火をつけその好きに現金およそ100万円を盗んだ疑いです。まだ動機などは分かっておりません。」

   佐々木がチャンネルを変える。

TV「現場の桜井さん詳しい事は分かりましたでしょうか?」

桜井「はい桜井です、まだ新しい情報はありませんが、犯人は20代の男性でここの職員であるということです。」

   羽島がチャンネルを変える。

向井「犯人の凶行そのような心がなぜ生まれたのでしょうか?」

   大野がTVを消す。

大野「みなさん注目してください、いいですか?今この施設は心ない人たちによって叩かれています、しかし大丈夫です、一日後には記者会見を開きたいと思います、あと約束してください、外にいるマスコミには何も喋らない事、あとこの事をほかの人に喋らない、全てが終われば鞍馬君は帰ってきます、安心してください、大丈夫です嵐はすぐ過ぎます。」

   それぞれ一応に納得する。

大野「ではみなさん、仕事に戻ってください。」

御園「あそうだ私たちのお部屋を紹介しない?」

南「ああいいね、いいんじゃない、じゃあ行きましょう。」

   四人その場後にする。桂の部屋からカメラが周り始める、桂着物姿に着替える。

桂「えーまずわしの場所ベットに落語集にTVそしてベットの下に囲碁やら将棋の盤それがわしの全財産じゃな、ここはええ所じゃけんど、ここで死ぬのはいやじゃなどうせならもっとスポットが当たる所で死にたいなあ、忘れ去られるのがいやなんじゃ。」

   今度は南が喋り始める。

南「びっくりするだろうけど写真で一杯なんだよ、孫や娘の写真それからじいさんの写真あとはジャニーズのビデオね、ここはいい所さねそうさ、おいしい食事に規則正しい生活広い敷地、汚い床足りない所と言えば、・・・わかるだろう。ビデオ終わり。」

   御園が喋り始める。

御園「40代は呉服屋をやってたわ、確か・・酷い酷い事があったわ、思い出したわ、この手も痛くて、この体ももっと痛くて、ずっと泣いていたわ、でもいつも夢に出てくる悪い人はだれなんだろう?」

   宮前が喋り始める。

宮前「わしは大工じゃった、かんなを削って釘を打ち材木切ってトンカチをこんこんしとった。」

   外からこんこんと聞こえてくる。

宮前「そうそうこんなかんじじゃった、うるさいの、静かにせんかー。」

   食堂では警察と職員がもみ合いになっ

   ている。

警察官A「だから、少し指紋をとらせて下さいよ。」

大野「届け出は出したんですからこれ以上ややこしくしないでください。」

警察官B「事件性がないと分かったら、すぐに手を引きますから。」

相馬「後にしてください。」

警察官A「公務執行ぼうがいですよ、どいてください。」

警察官B「凶悪な犯人がいるかもしれないでしょう、どいてください。」

   第8章終了












第9章「春?呼ぶ祭り」

   体育館では記者会見の準備が進められている、長い机に

   マイクが数本あり大野一人で会見する予定だ、椅子10席

   ほど用意してある、しかし後ろでは、なぜかキャンデーズ

   の「微笑みがえし」が流れている。桃井、佐々木、相馬

   微笑みがえしを歌って踊る。

大野「君たちなにしてるんですか?」

桃井「何って今日の午後のレクリエーションの練習。」

佐々木「どうせなくなちゃうだろうし。」

相馬「だめ?」

大野「あのねえもうすぐ記者さん達が来るんだからね非常識ですよ、その服も。」

相馬「いいじゃない。」

大野「とにかく君たちどいててね、お願いだから。」

   一旦佐々木、相馬、桃井は、はける。記者達がやってくる

大野「皆さんどうぞどうぞ」

   記者達、桜井、大内、早川、馬場、向井席に着く。

向井「このたびこのような場を設けていただきありがとうございます、さっそくえーと今回ここまで問題が広がった背景を1つ聞かせてください。」

大野「やはり警備体制が不十分と言わざる得ないでしょう。」

桜井「犯人は捕まったのでしょうか?」

大野「それに関しては、警察の捜査待ちとなっていますので何とも言えません。」

馬場「殴られたという報道がありますが?」

大野「それは事件と無関係です。」

馬場「施設として何も管理してないじゃないですか?どうなってるんですか?」

大野「いえそれは、今回たまたまで。」

   体育館の外では、鞍馬、御園、南、桂、宮前が北島を待っ

   ている。

南「おそいわね。」

鞍馬「絶対来ますよ、お金と手紙直接もって行きましたから。」

御園「これで来なかったら私たち刑務所ね。」

宮前「絶対にくるんだー。」

桂「あ、バスじゃバス。」

   バスが着き中から東と北島がおりてくる。

御園「あっ来た、本物だ。」

東「こちらですね、ああどうもみなさん、あれ記者これは困ったなあ。」

北島「本当だねえ、うーんどうしたもんか。」

鞍馬「待ってください手紙とお金渡しましたよね?」

北島「お金ああもらったよ、でも記者がいたんじゃ歌えないなぁ。」

御園「先生の新曲いい出来でしたよ。」

東「ありがとうございます、しかしどうしたもんか?」

南「先生は今全国巡っとるんだろう、ちょうどいいprじゃないかい?」

北島「そうだねえ、まー一曲ぐらい歌っていきましょうかいいでしょ?東君。」

東「今回だけですよ。」

   南、鞍馬、宮前、北島、御園、桂、東体育館に入る。

大野「何度も何度も申し上げますがそれに関してまだ警察の方で・・•。」

   記者席の後方から南、鞍馬、宮前、北島、御園、桂、東

   が入ってくる。

桜井「あれ演歌歌手の北島さん?」

向井「えーなんで今ここにいるの?」

馬場「カメラさんとって早く早く。」

大野「君たちこれは一体どういうことですか?」

鞍馬「北島さんです。」

大野「どうも、ってそうじゃなくて御園さんまで。」

桜井「皆さん犯人です犯人がここにきました。」

   記者達が一斉に詰め寄る。

鞍馬「ちょっと押さないで。」

   北島密かに壇上に上がってしまう。

北島「みなさん、落ち着いてください、今回ここサルビアのイベントに呼ばれてきました、色々あるでしょうが実はここにいるあの若い青年が考えた事であります、最後にこんな結果になって申し訳ないと言っておりました。一曲だけ歌に付き合ってください。」

   北島の「祭り」がかかる。

北島「男は祭りを そうさかついで 生きてきた山の神 海の神

今年も本当に ありがとう白い褌 ひきしめた裸若衆に 雪が舞う

祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り土の匂いの しみこんだ伜その手が 宝物男は祭りで そうさ男をみがくんだ山の神 海の神

いのちを本当に ありがとう船に五色の 旗をたて海の男が 風を切る祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り見ろよ真赤な 陽が昇る

伜一番 船をこげ燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン俺もどんとまた 生きてやる。これが日本の祭りだよ。」

  北島歌い終えると壇上からおりる。

鞍馬「さあ続いてはキャンディーズ微笑みかえしです。」

   相馬佐々木桃井壇上に出て、歌って踊る。

相馬「ありがとうございました。」

   大野あわてて壇上にあがり三人を戻す。

桜井「えーなにこれ。」

向井「どういう事っすか?」

大野「ええと、申し訳ない皆さんを巻き込んでしまって、北島先生の言う通り全てあの鞍馬君の思惑でやったまで、そう施設をPR

していただいて、ありがとうございます。」

   大野深々と記者に一例する。

桜井「なんだ、大スクープかと思ったのに、帰りますか。」

馬場「お疲れさまでした、使えないわね、これ。」

向井「あーあなんだよ。」

   向井電話をかける。

向井「もしもし、ああすいませんがせでした、いやー何も出てきませんよ、これからそうですね、ガキ使でも見てますわ。聞こえない?ガキ使だよ。」

   向井怒って電話を切る。記者達ぞろぞろと帰ってしまう。

大野「はあー全く、全く、鞍馬君。」

鞍馬「はい。」

大野「事前になにをやるかいいなさい、人様に迷惑かけてまでやる事じゃないでしょう。」

鞍馬「はいすいません。」

大野「御園さんたちも後で覚悟してください、いいですね。」

御園「はい。」

大野「それから北島さん、本当に本当にありがとうございました。」

北島「いやいやいいんだよ、なかなか面白かったよじゃあ私はこれで行こうか東。」

東「はいではまたどこかで。」

   北島、東、体育館の外にでる。

御園「大野さん鞍馬君は何も悪くないんじゃが?」

大野「そんなことはじめから分かってますよ、全く、もうーみなさんには驚かされてばかりですよ、やっぱり鞍馬君は、首になってもらいます。」

鞍馬「そんなー。」

   第9章終了




第10章「取材」

   サルビアの個室向かい合って御園と増田が座っている。

増田「うまくいったわね。」

御園「そうね。」

増田「始めから狙ってやったの?」

御園「どうかしら?忘れ去られるんなら、何か残してやれと思ったわね。」

増田「あのばか騒ぎはそれなの?」

御園「ええ。」

増田「映画の方は?順調?」

御園「ええ、色々回りの方に協力していただいて感謝してます。」

増田「そう、うちも今回真っ当な記事書いたんで、発行部数がのびたわ。」

御園「そう、よかったわ。」

増田「これであなたは満足なの?」

御園「ええ、今はね、でも明日になれば・・。」

増田「全て忘れて、物を投げて夕暮れになれば帰りたいという、夜になればお腹が空き冷蔵庫の物を食べる、朝になれば、食器を割りたくなる。」

御園「あら、そのとおりね。」

増田「うちも母親がそうだったから、何となく分かります。」

   増田席を立つ

御園「あらもう終わり?今日は調子がいいのに。」

増田「やめとく、だって健全な取材をするってきめたから。」

御園「残念、ああ良かったらこれ見てください。」

増田「ああ、映画の喜んで。」

   DVDが上演される




第11章「DVD」

   部屋の前には桂が座布団を引いている。桂の前にビデオカメ

   ラが置いてある。

桂「えー本日長々とお付き合いいただき誠にありがとうございます、また遠路はるばる愚痴の1つも言わず見ていただき感謝感激しております、さてさて私ども老人の生活はこの小さい部屋に全て詰め込まれてしまい以前二階建ての広い家に住んでいた私もこちらの隅からあちらの隅へと押し込めれてしまいました、しかし悲しんではいられません私の、目の前にはなんと、今をときめくギャルが華麗に体を揺らしながら、こちらに迫って来ている、男として答えずにいられないしかも指輪をしていない(笑)チャンス到来先客万来、まだまだ青春を謳歌している最中であり、時代はまさにそうこちらに向かって風が吹いているのであります、先日も若い一人の実習生が私の部屋に・・2人きりになり。」

   途中で映像が切れて南と御園が写る。南カメラの前で座って

   いる、御園横を向いている。

南「あーいいか、このシーンを映画の最後とする後ろでぼけてるのは放っておく、えー私らは単に年を取っただけ、頭だって冴えているしまだまだこれから死なんて、死なんて怖くないいつ死のうと準備はできているし若いものの力なんて借りたくない。」

   御園が南に気付き振り返る。

御園「だれと話してるの?」

南「あんたの知り合いよ、とにかく私は孫の顔さえ見ればそれでいいの、もうやりたい事なんてやってきたんだから。」

御園「知り合いなの、じゃあ何か話さなきゃねー。」

   南後ろに下がり御園カメラの前に立つ。

御園「えーと元気?私のお知り合いさん、私けっこう皺が増えちゃって昔の事ほとんど忘れちゃって、あなたが目の前に来ても挨拶なんてできないかもしれない。忘れたくない事は山のようにあるのに思い出すのは忘れたい事ばかり夫を傷つけて息子を見殺しにして家をたてて娘を育てて夫に裏切られて、残ったのはお金だけ、いい人でもなかったし悪人でもなかった私が傷つけた人たちに、言うわ、どうか昨日の事は忘れておしまいにしましょう、そうすれば春の日差しのもとにっこりとにっこりと笑える時もあると思うの、だから許してね。」

   南割って入る。

南「いいかい?終わったのかい、じゃあボタンを押すよ。」

   南ビデオカメラの電源を落とす。

   END


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ