第8話 ~さゆりの過去~
あたしは11年前、ちょうど5歳だったかな?
両親と双子の妹が、殺人犯によって、目の前で殺された。
当時のあたしにはかなり辛い出来事だった。
11年経った今でも、その殺された日の夢を見る。
その殺人犯の名前は・・・
夜神零次
じいちゃんは、夜神の知り合いらしく、聞いてみると、
とてもしっかりしてて、真面目な人だったそうだ。
なぜそんな人が、殺人を犯してしまったのか・・・
未だによく分からない。
あと、龍っていうやつのことだが、
龍は、あたしの兄だ。
兄は・・・いや、龍は、11年前、夜神と手を組み、あたしの両親と妹を殺した。
グルになってたんだ。
そのあと、用済みになった夜神を殺した。
殺したのは、龍だ。
あたしはその当時5歳だったから、龍はその当時11歳だった。
6歳上だからな。
中学のとき、龍があたしが通ってた学校に来た時があった。
あたし以外のひとを皆殺しにするために・・・
そして最後にあたしを殺すために・・・
あたしを憎んでいたらしい。
でもその計画は失敗に終わり、警察に出頭され、裁判で死刑になり、死んだ。
死んだ・・・はずだった。
なぜ、生きているのか?
あたしにもわからない。
まぁ、とりあえず・・・
あたしの大切な人の敵はとらせてもらう。
仇をとるまであたしの恨みの炎はまだ消えないだろう。
兄妹だからって、手を抜くことなんてしない。
あたしたち、兄妹の縁切ってるし。
そうやって、余裕かましてるのも今のうちだ。
闘いあう・・・いや、殺りあえることを、楽しみにしているよ。