第2話 ~戦闘開始1日目~
翌日、わたしたち超能力者は、船のホールに集められた。
するといきなり、ホールに置いてあったスピーカーからアナウンスが流れた。
「みなさん、おはようございます もうすぐ9:30です
今から、犯罪者と闘ってもらいます
ステージ1は、比較的みなさんでも倒せられるようなレベルの
犯罪者です
いわゆるザコキャラですね
がんばってくださいね~」
というアナウンスが流れ、そこで切れた。
すると、みんなの体がスーッと消えた。
気が付くとわたしは、外にいた。
番傘も扇子も手元にある。
(でも、番傘の使い方が分からない。
扇子は、いつも使っているから大丈夫だけど)
そんなことを考えていたら、
「おー! こんなところに上玉な女がいるじゃねーか」
「ひっ捕らえて、犯しちまおーぜ!」
という声がしたので、振り返ってみると、
包丁を持った男がいた。
若い人だと思うけど、とりあえずわたしより年上なのは確かだ。
しかも、その男たちが持っている包丁には、血がべったりと付いていた。
(誰かを殺したんだろう)
するといきなり、その男たちが襲ってきた。
(ヤバい・・・どうしよう・・・)
と思っていたが、わたしに傷はなく、その男たちは血を流し、倒れていた。
「君、大丈夫?」
という声がしたので振り返ると、チェーンソーを持った男の人がいた。
一瞬、犯罪者かと思った。
ふつう思うでしょ?
入れ墨がたくさん入っていて、背が高くて、体格もそれなりにいいと思うし・・・
なんか、不良のリーダーみたいな容姿だった。
でも、顔はいかつくなく、無表情っぽい感じで、怖いという感じではなかった。
わたしはその助けてくれた男の人に、お礼をした。
その人は、相変わらず無表情な感じだったが、
「いえいえ、女の子が一人でここにいるの、危ない」
といった。
そして男の人に名前を聞かれたので、わたしは、白銀さゆりと答えた。
「じゃあ、さゆりって呼ぶね、俺の名前はリツ、よろしく」
といった。
リツさんはわたしに、
「さゆり、危ないから、俺と一緒に行動しよう、一人よりはまだ安全だと思うから」
と言ってきた。
(確かに、わたし一人よりは安全かも・・・)
そう思い、わたしはリツさんとともに行動することにした。
(そういえば、リツさんは一体、何の能力を持っているんだろう・・・)
わたしはそう思い、リツさんに何の能力を持っているのか聞いてみた。
どうやらリツさんは、血を操る能力を持っているみたいだ。
武器も、チェーンソーだけらしい。
「さゆりって、変わった武器を持っているね」
と言ってきた。
まぁ・・・変わってるといえば変わっているかな・・・
でもリツさんの武器だって、変わってるじゃん・・・
と思ったが、あえて口には出さなかった。
すると後ろから、別の犯罪者であろう男の人2人組が、
「死ねー!」
と奇声を上げながらわたしをめがけて襲ってきた。
わたしはとっさに番傘を構えた。
気が付くと、その2人組は頭と腹に血を流して倒れていた。
わたしは何があったのか全然わからなかった。
リツさんがわたしに、
「その傘すごいね」
と言い出した。
わたしにはなぜこの傘がすごいのかが分からなかった。
なぜすごいのかをきいてみた。
「その傘、銃になってたんだよ、さゆりはそれで、あの2人組を殺したんだ」
と、説明してくれた。
自分のスマホをみると、殺人数が0から2になっていた。
とりあえず、殺人数が0で死ぬことはないと思う。
このままとりあえず、1日目クリアしよう
そして、7日間生き延びてやる
と、わたしは心に誓った。
~その一方~
(さゆもここに来ていたな・・・)
僕はそう思いながら、犯罪者を殺していった。
スマホをみると、殺人数が16になっていた。
どうやら僕は、犯罪者を16人殺したことになるな。
さゆ・・・どうか無事でいてくれ・・・