第20話 ~龍の過去~
~約17年前~
「嫌だ! こっちに来ないで!」
「大丈夫だよ、怖くないからね」
「そうよ、なーんにも怖くないから」
「早く血を寄こしなさい!」
「い・・嫌・・」
「大人しくしないと、本当の両親のところに帰らせないよ」
「あらら、真っ赤な血・・とても美味しそうね・・」
「そうだね、二人で一緒に飲もうか」
「それ、良い考えね」
「じゃあ、さっそく・・いただきまーす・・」
「いっ・・嫌・・だ・・嫌だぁぁぁぁぁ!」
・・・まただ。
また、この夢を見てしまった。
最近ずっと、この夢ばかり見ている気がする。
俺はガキの頃誘拐され、奇妙な洋館に監禁されて・・
お父様・・いや、骸様とお母様・・黄泉様に血を吸われ、
吸血鬼になった夢を。
それに、ただの吸血鬼ではなく、日光を浴びても死なないし、人を食べる吸血鬼・・
「食人吸血鬼」になってしまった夢を。
食人吸血鬼になったのは5歳の時なのに、最近のようにはっきりと覚えている。
最初はこの吸血鬼の体が嫌で嫌でたまらなかったけど、年月が経っていくにつれ、そういう感情はなくなっていった。
だけど、今は最初と同じ、この吸血鬼が嫌で嫌でたまらない。
もう人なんて、食べたくない!
もう人の血なんて飲みたくない!
なんて、思うようになった。
なんでいきなり、こんな感情になったんだろう?
いつから、こんな感情になったんだろう?
分からない。
さゆりのおかげか?
もし仮にもそうだとしても、俺はさゆりを殺すだろう。
理由はただ一つ・・あいつが白銀家の一族だからだ。
俺が11になった頃、元の家に帰ることにした。
だが、母さんも父さんも、俺のことなんか覚えていなかった。
「わたしたちの子供は、さゆりとさゆきよ」
なんて言われて・・
最初から俺のことなんて、何とも思ってなかったんだ。
それ以来俺は、白銀家を怨むようになった。
俺と同じ、白銀家を絶やしたい人物である夜神と手を組み、一家皆殺しの計画を立てた。
それが実行されたのが、11年前。
父さんと母さんと、その一人の娘を殺すことに成功した。
だが、一家皆殺しの計画は失敗した。
さゆりが生き残ってしまったから。
夜神曰く、「禍々しい殺気を放っていた」と。
それから約9年後、俺が20歳になった時、ある計画を立てた。
さゆりが通ってる学校で、その計画は実行された。
その学校の生徒を殺してから、さゆりを殺すという内容だった。
俺は、俺の格好をした誰かにその計画を実行させたんだ。
だが、その計画も失敗した。
どうしたらあいつを殺せるんだ?
途方に暮れていると、ある店をみて、新しい計画を編み出したんだ。
ゲームショップだ。
誘拐先の洋館でよくゲームをしていたことを思いだした。
それに、オリジナルのゲームをよく作っていたことも思い出した。
その計画が、このデスゲームだ。
これは、最高傑作だ。
せいぜい足掻けよ。
俺を楽しませてくれよ。
今までの計画を台無しにしてくれたお前ならできるだろ。




