氷の楽園保存協会
氷の楽園保存協会。
世界各地に存在する氷の楽園を見つけて、それを保護。
観光地として売り出す団体である。
そんな協会に属する2人が、世にも珍しい凍ったジャングルに来ていた。
もこもこの服を着た2人が、氷のジャングルを歩く。
「しかし先輩。なんてったってこんな凍っちゃったんですかね?」
「さぁな。考えるのはよそう。我々の仕事を果たすんだ。」
進んで行くとそこには集落があった。
葉っぱのような物で出来た家が転々と並んでいる。
「………これは」
「………人が住んでいたようだな。班長の読み通りだ」
「え?」
「家の中に入ってみよう」
そう言って家の一つに入る。
そこには大人2人と子ども1人の氷像があった。
大人2人が子どもに覆いかぶさるようにして凍っている。
一人は口を手で覆い、もう一人は静かに目を閉じた。
「………観光地としては申し分ないな」
「!そんな!人を見世物にするんですか?」
「これが我々の仕事だ。申し訳ないがな。………次の家も見に行くぞ。」
出ていこうとする先輩を尻目に、後輩はカバンに手を突っ込む。
それに気づき先輩は後輩の手を勢いよく抑える。
「お前!何をする気だ!」
「俺が持ってきたこれを使えば!」
「やめろ!言うんじゃない!それを言ったら消されるぞ!」
「消されるって誰に?」
そうすると後ろから誰かが入ってくる。
同じくもこもこの服を着た荘厳な男性である。
「あ、班長。」
「とうした?調査は順調か?」
「班長!俺から話が!」
「やめろ!寄せ!」
静止する先輩を尻目に後輩が続ける。
「この人たちを見世物にするのはあんまりです!」
「………それでお前は何をする気だ?」
「………俺が持ってきたこれを使っ」
後輩が話しながらバッグから何かを取り出そうとするが、直後銃声が響く。
後輩は銃で撃たれ、倒れ込む。
倒れた衝撃で後輩のバッグから大きめのライターが転がる。
そしてその後後輩が動くことはなかった。
「悪いな。我々が生きていくためにはこうするしかないんだ」
先輩は複雑に倒れ込む後輩を見つめる。
班長は氷の親子の近くに銃を置く。
「火事場泥棒を親子が撃退。その後逃げ場のない冷気を親子が庇う。こんなところだな」
「………はい」
「仕事を続けるぞ」
「はい」
こうして氷の楽園保存協会は今も存続している」




