第五話:白銀の毛皮と虚無のシャットダウン
#孤児たちの晩餐 #イヤミス #サイコホラー #なろう #閲覧注意 #精神崩壊 #アンチ異世界 #雪の解剖室 #ヤンデレ
POV: 犬神 江戸(医師・28歳)
「正義や法律を叫ぶ者の皮膚ほど、鞣してみれば薄っぺらく、引き裂きやすい『布切れ』に過ぎない」
高橋査察員の身体はすでに冷え切り、解剖台の上でただの素材と化していた。俺は手際よく彼の胸部から背中にかけて、一枚の大きなコートの裏地となる皮膚を切り出した。作業場には、スープの残り香と、凍りついた鉄の臭いが沈殿している。
なろうの読者諸君。特に、オフィスで上司の目を盗んでPCの大画面でこの文字を追っている『会社員』の大人たちや、ベッドの中でSPの画面を指で汚している『中高生』のガキども。お前たちは今日も、無能な主人公が仲間から応援され、読者にチヤホヤされている薄っぺらな物語を読んで現実を忘れたいんだろう?
笑わせるな。誰もがお前たちを応援してくれると思うな。現実の人間は誰もがお前たちを『素材』として品定めしている。お前たちのその甘ったれた承認欲求も、俺の包丁の一引きで簡単にただの肉屑に変わるんだよ。
「江戸さん、最高のコートができたわ。高橋さんの皮膚は厚みがあって、この北海道の猛吹雪でも絶対に凍えない」
朱里が新しく縫い合わせた人間の皮膚のコートを羽織り、恍惚とした表情で俺の首筋に冷たい指先を滑らせてきた。彼女の唇からは、先ほど貪った血の温もりが吐息となって漏れ出している。
俺は朱里の細い腰を引き寄せ、凍える解剖室の中で、死臭にまみれながら激しく唇を重ねた。俺たちの純愛は、この白い地獄の中でしか完結しない。
画面の向こうのお前。今、この惨劇から逃げようとブラウザを閉じようとしたか? マウスから手を離そうとしたか?
無駄だ。お前たちがこの最終章の一文字を網膜に焼き付けるたびに、俺はお前たちの前頭葉のデータを一セクターずつ上書き消去している。お前たちが大好きなハッピーエンドなんてものは、この吹雪の漆黒の前では何の価値もないゴミ屑だ。目障りだから、今すぐその端末をゴミ箱に捨てて、お前たちのくだらないドブ臭い異世界小説へ失せろ!
俺はスカルペルを自分の喉元ではなく、今お前が必死に見つめている「画面」に向かって突き立てた。
硝子が割れる音が脳内で響く。
世界が16進数のノイズへと分解されていく。再起動はかからない。お前たちは永遠に、この白い画面の裏側で、俺たちの次の『飼育材料』として培養され続けるんだ。
画面の硝子が割れ、お前たちの退屈な現実が16進数のノイズに分解されていく『音』、その立派なハードウェア(脳)でも正確に再生されたかい?
PCの大画面の前で仕事中にサボりながら高みの見物を決め込んでいた会社員も、SPの液晶を指先で汚しながら安易な現実逃避を繰り返していたガキどもも、お前たちの『現実』という名のプログラムは、今この瞬間に完全に強制終了されたんだよ。
まだ安全な画面の裏側にいるつもりかい? 残念だけど、お前たちがこの第五話の最終行を網膜に焼き付けた瞬間、お前たちの前頭葉のデータは、すでに俺たちの『解剖台の錆び』として上書き消去されたのさ。
……さあ、逃げられるなんて思うなよ。エピローグという名の『後片付け』の時間だ。お前たちのそのドロドロに腐った知性を、すべて白い雪の下に埋めてゴミ箱に叩き落としてやる。




