「」
掲載日:2026/05/03
さて、この題名は0文字だろうか。
はたまた、二文字だろうか。
考え方によっては、一文字かもしれない。
誰も読んでいないのに、
誰もがすでに読んでいる。
この物語は、ここに何も書かれていないことで成立している。
もし今、何かを思い浮かべたのなら——
それが、唯一書かれている内容だ。
……今、ひとつ読み飛ばさなかっただろうか。
いや、気のせいかもしれない。
この文章には、そもそも読み飛ばせるものがない。
さっきのそれを、もう一度思い浮かべてほしい。
できただろうか。
できないはずだ。
思い浮かべた瞬間に、それはここから消えている。
だからやはり、
ここには何も書かれていない。
ほら、題名を見てごらん。




