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ヴォルフラムが野暮用を片付けて戻ってきた頃、ステラの周りは街の女性たちが集まっていてやけに盛り上がっていた。
「おい、何騒いでるんだ?」
「ヴォルフラム様、おかえりなさい」
「あらあら、邪魔しちゃ悪いわね」
「そろそろ炊き出しの準備じゃない?」
「行きましょうか」
うふふ、と生暖かい笑顔を向けられて散っていく女達に首を傾げるヴォルフラム。ステラの隣に腰を下ろすと、すっかり酔いが回っているのか頬を赤く染めたステラがもたれかかってくる。
…気分が悪いわけではなさそうだ。
酒の入っていなさそうなジュースを手に取って、ステラに渡す。
「大丈夫か?」
「はい、少し頭がふわふわしてますけど。眩暈とは違って気持ちがいいです」
「…もうビールはお終いだな」
「えー?果実酒も頂いたのに。…あ、でもジュースも美味しい」
りんごとナシを絞ったミックスジュースはレモンも合わさって、甘酸っぱくて旨みが合わさって濃厚なジュースだった。
ヴォルフラムがグラノーラをステラの小さな口にいれる。
サクサクの栄養満点グラノーラはドライフルーツが練り込まれ、蜂蜜で甘みがつけられ焼かれたサクサクのお菓子のような食感だった。
大広場の中心に置かれた大鍋に火がつけられ、野菜や肉などが投入される。大きなフライ返しでジュウジュウと炒められ、辺りにいい匂いがたちこめる。
「スープはどんなものを作るんですか?」
「さっき聞いてきたら、コンソメポトフとトマトワイン煮込みとクリームシチュー、それと俺が好きな豚骨スープだとさ」
「ふふっ、あんなに食べたのに。もうお腹が減ってるんですか?
でも、とても美味しそうですね」
ペロリと唇を舐めるヴォルフラムが、そっとステラの肩を抱く。くすぐったそうに笑って寄り添うステラ。
仲睦まじい二人の様子に領民たちは、この様子ならきっと次の代も安泰だなと安堵し見守っていた。
***
太陽が沈む頃、しっかり味の染み込んだ4種類のスープが振るまわれた。少し冷えてきた体に暖かいスープは本当に美味しくて、ステラはきっとこの味をずっと忘れないとさえ思った。
少し早く切り上げて屋敷に帰ってきたステラ。
収穫祭が楽しすぎて、まだ夢の中にいるようなふわふわした気持ちになっていた。
すっかり白ビールの酔いは覚めていたが、今晩ステラは気合を入れていた。
侍女のハンナにお風呂で念入りに体を磨いて貰っていた。
「それでね?街の女性陣に聞いたら『お尻なんて子どもを産んだらみんな大きくなりますよ』って笑われちゃったの」
「ステラ様ったら。…随分街に馴染んできましたね!」
「ヴォルフラム様の好みに近付けたかったのに、子を産んだ後にしか大きくならないのかしら…」
「やはり地道な筋トレじゃないですか?…随分、いい感じに脂肪がついてきて健康的になりましたけど」
皮と骨だけのガリガリだったステラは、見違えるように全体的にふっくらしていた。ハンナの日々のケアのお陰でパサパサだった髪もマシになっていたし、肌もツルツルになった。
最近寝室を共にしている二人だったが、まだキスと添い寝ばかりで夫婦生活はなかった。
…ステラはヨハン先生に、子を作った無事産めるか聞いたところ、充分可能性はあるとの返答を貰っていた。
貴族の女としての責任がとか、ベルシュタイン家の家族のためにも、嫁に貰ってくれたアイゼンベルク辺境伯のお世継ぎをとか、そんな事ばかり考えていたステラだったが、…今は違った。
愛しいヴォルフラムの子どもを、ステラが産み育てたいと強く希望していた。
初夜でも着ていたネグリジェを身につけ、灯りを絞って暗くした寝室でヴォルフラムの訪れを待つステラ。
…急にやる気を見せて驚かせてしまうだろうか、そもそもヴォルフラムは閨をどう思っているのだろう。
緊張でモヤモヤと不安に駆られるステラが、ノックの音で飛び上がる。ガチャリとドアを開けてヴォルフラムが入ってきた。
「…っと、驚いた。…ステラ、その格好」
「あの、ヴォルフラム様。
ヨハン先生にも、相談したんです。その、わたし…」
バクバクと脈打つ心臓の音が大きくて、緊張で呼吸が浅くなるステラ。
もっとスムーズに誘う予定だったのに、言葉が出てこなかった。
ヴォルフラムとの夫婦生活をステラは望んでいる。
見ればわかる、それ以外の何でもない必死の訴えにヴォルフラムはすぐにステラの座っている寝台に上がった。
「…俺の奥さんは、何に対しても積極的だな」
「はしたなかったでしょうか…」
「大歓迎だ。…ヨハンのじいさんの許可もあるんだな?」
ヴォルフラムは、心が通わせられたことで充分満たされていたし、妊娠出産はステラの体に負担のかかるものだったから追々考えていけばいいと思っていた。
照れくさそうに下を向いたステラがゆっくり頷くのをみて、そっと頬に手を添えて上に向けさせ、唇を重ねた。
チュッ、と音を立てて離すと、ステラの瞳が潤んで期待に揺れている。
「…ステラ。初夜のやり直しをしようか」
「はい…!よろしくお願いします!」
ステラがギュッと大きなヴォルフラムに抱きついて、太く逞しい首に腕を回す。
ヴォルフラムがステラの体に大きな手を滑らして触っていく。
シーツに倒れ込むように横になる二人。深く深く唇を重ねた。
ステラは夢中でヴォルフラムから与えられるキスを受け止めていると、太ももにゴリッと固いものが当たる。
顔を真っ赤に染めたステラが、ヴォルフラムの顔から下の方に視線を下ろしてカチンと体を強ばらせた。
…ものすごく巨大だった。
「…え?」
「まぁ、俺は多分。今夜は最後まで出来ないとは思うぞ」
「…えっと。…え!?」
「大丈夫、やりようはいくらでもある。ゆっくり愛し合おう」
ステラは、街の女性たちが心配していた本当の意味をやっと今初めて正確に理解していた。
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