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第7話 均衡の条件

中央タワーの屋上。


夜風が吹く。


都市《NEXUS》は何事もなかったかのように光を取り戻していた。


 


ニュースは通常放送。

SNSは通常運転。

人々は日常へ帰還。


 


――だが。


 


三勢力の中枢は、静かに再編されていた。


 


「第二段階は消えていない」


クロウが言う。


「分離しただけだ」


 


俺は黙っている。


 


“自己切断”。


 


あれは危険すぎる。


 


存在が一瞬、空白になった。


 


あと数秒遅れていたら――


俺は完全に“無”になっていた。


 


セラが冷静に分析する。


 


「あなたの能力は万能ではない」


 


「知ってる」


 


「切断には“接続対象の定義”が必要。あなたは第二段階を“自分”と認識していた」


 


だから断てなかった。


 


だから――自分から分離するしかなかった。


 


ルクスがフェンスに座る。


 


「つまりさ。お前がブレたら負けってことだ」


 


核心。


 


第二段階は“接続支配”。


俺は“接続切断”。


 


だが。


 


“自分の定義”を奪われれば、俺は無力になる。


 


クロウが端末を閉じる。


 


「よって、条件を提示する」


 


三勢力による暫定同盟。


 


・NOIR VEIL:裏記録の保護

・COVENANT: ZERO:存在値安定化

・AURORA SYNDICATE:情報遮断網の再構築


 


そして。


 


「お前は三勢力の“中立抑止力”になる」


 


俺を見る三人。


 


利用でも排除でもない。


 


“均衡の核”。


 


セラが言う。


 


「第二段階は都市全体を取り込もうとする。あなたがいる限り、それは完成しない」


 


ルクスが笑う。


 


「三つ巴じゃなくなった。四つ巴だ」


 


俺は夜空を見る。


 


第二段階は消えていない。


 


遠く。


 


都市外縁の廃工場地帯。


 


黒い影が立っている。


 


“もう一人の俺”。


 


彼は都市を見下ろし、静かに言う。


 


「均衡は不要だ」


 


光の糸が、ゆっくりと広がる。


 


都市の一部が、微かに歪む。


 


戦争は終わっていない。


 


ただ形を変えただけだ。


 


そして。


 


NEXUSの深層。


 


封印されたはずのログが、再起動する。


 


《Oblivion Protocol:最終段階 準備中》


 


均衡の条件は、一つ。


 


“忘却が二つ同時に存在しないこと”。


 


俺と、あいつ。


 


どちらかが消えるまで。


 


次回、第8話「忘却の選択」

最後までお読み頂きありがとうございました。

まぁド〇ゴンボールとかなら第4段階とかまで行くし抑えた方


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