第6話 共闘
中央タワー最上階。
“第二段階”は、そこに立っている。
俺と同じ顔。
同じ声。
だが、目だけが違う。
冷たい。
感情がない。
「第一段階」
そいつが言う。
「君は未完成だ」
都市の上空。
黒い粒子が広がる。
人々の視線が、再び揺らぐ。
「接続支配、再展開」
空気が重くなる。
クロウが前に出る。
「NOIR VEIL、全裏記録開放」
都市の裏データが一斉に書き換わる。
“第二段階の存在を削除”。
だが――
ノイズ。
失敗。
「……効かない」
ルクスが歯を鳴らす。
「AURORA、全媒体強制露出」
巨大モニター、スマホ、屋外広告。
第二段階の姿を“強制的に拡散”。
存在を固定する。
だが。
画面が歪む。
「接続、奪われてる!」
セラが両手を広げる。
「COVENANT、部分初期化!」
空間が白く染まる。
時間を巻き戻す。
だが。
第二段階は、そこに立ったまま。
「無駄だ」
低い声。
「三勢力は旧世代だ」
都市全体の接続が、彼の背後に集まる。
光の糸。
無数。
「俺は“全接続”」
俺は、前に出る。
頭が痛む。
存在が薄くなる。
だが、やるしかない。
《Absolute Detach》
全切断。
都市と、第二段階の接続を断つ。
轟音。
空が裂ける。
だが。
第二段階は、消えない。
目が合う。
理解する。
俺は、こいつを切れない。
なぜなら。
“こいつは俺だから”。
セラが気づく。
「同一存在……!」
クロウが低く言う。
「第一と第二は、一つの計画の両輪」
ルクスが息を呑む。
「だから切断できないのか……」
第二段階が微笑む。
「君は俺を断てない」
接続が集中する。
世界が、俺を掴む。
視界が白む。
その瞬間。
クロウが俺の肩に手を置く。
「一人でやるな」
ルクスが笑う。
「均衡、ナメんな」
セラが静かに言う。
「三勢力は対立していた。でも――」
三人の能力が、同時に展開。
記録固定。
情報固定。
存在固定。
第二段階の“接続支配”を縛る。
わずか数秒。
だが十分だ。
俺は理解する。
切れないなら。
“分離する”。
俺と、あいつの“接続”を断つ。
自分自身から。
激痛。
悲鳴が漏れる。
《自己切断》
空が割れる。
光が爆ぜる。
第二段階が初めて、目を見開いた。
「……っ」
接続が、切れる。
都市からではない。
“俺との接続”。
衝撃波。
第二段階が、後退する。
完全には消えない。
だが、支配は止まった。
静寂。
都市が、呼吸を取り戻す。
俺は膝をつく。
クロウが呟く。
「……均衡は、まだ生きている」
ルクスが笑う。
「臨時同盟、成立だな」
セラが静かに言う。
「戦争ではない」
タワーの上。
第二段階が、こちらを見る。
「第一段階。いずれ回収する」
そして、消えた。
嵐の前の静寂。
三勢力と、俺。
一時的な共闘。
だが。
均衡は、もう元には戻らない。
次回、第7話「均衡の条件」
最後までお読み頂きありがとうございました。
英語の単語多いとかっこよくね?そのせいで何言ってるかわかんねーけど




