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マグノリア王国 番外編  作者: 麻生あきら
あなたの場所 わたしの場所

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3/9

00 光の粒

 手のひらでころころと軽やかな音。

 光を受けてきらきらと輝く。

 薄紅色と蜂蜜色の玉がひとつずつ。




「お父様。いかがですか?」


 ノアに渡された二種類の丸いとんぼ玉。柄のない透明な作りだ。

 ひと粒ずつ指で摘み、日に透かした。

 クリスはノアの顔を覗き込むようにして返事を待つ。


「綺麗にできたね。キアラは派手なものがあまり好みでないから、これでいいと思うよ」


 クリスの手の中にそっと渡す。

 クリスの唇がだんだんと弧を描いてゆく。


「レシピは出来たのかい?」


「チェーンと、ビーズのリングトップと、この二種類のとんぼ玉で⋯⋯」


 レシピ表をテーブルに置いて、クリスが早口で説明を始めた。

 ノアは今にも吹き出しそうに口元を歪めてそれを聞く。


「ははは、我慢できない。クリス、わかったから、落ち着きなさい。駄目だぞ、依頼主にはもっとゆっくり話すんだよ」


「あっ」慌てて口に手を当てる。


「レシピはこれでいいんじゃないかな。キアラが戻るまでに出来上がる? 明後日だが」


「大丈夫です。今からでも取り掛かれます」


 学園はすでに今年度は終了し、社交シーズンも終わった。ミニュスクール公爵家とマダム・オルタンスへの帰郷の挨拶は済んでいる。

 後は荷造りと、このキアラへのプレゼントの製作だけだ。


 とんぼ玉の製作は思いの外難航し、思った通りになかなか出来上がらなかった。

 色の選定から模様の有無、形状まで色々試行錯誤した。

 最終的に透明な薄紅色と蜂蜜色の二種類になった。

 リングトップを小さな白いビーズで作り、金具で継ぎ合わせていくだけだ。


 荷造りは侍女のロミにお任せだ。

「私がやっておきますから、存分に作ってください」と、ロミは胸を叩いた。

 クリスにとってロミは他の使用人より年が近い事もあって、頼れる姉のような存在だ。ついつい甘えてしまう。




「出来上がったら見せなさい。キアラはなかなか注文が多いぞ」


 ノアはそう言って笑った。

 きっと沢山作って、沢山ダメ出しをされたのだろう。

 クリスも笑う。


「ふふ。お父様を信じるわ」


挿絵(By みてみん)

いよいよキアラが戻ってきます。

『聖女の人形』の話は暗くなりがちですが、こちらはホワホワした感じで行けると思います。


評価、リアクション、感想などいただけましたら大変励みになります。

何卒宜しくお願い致します。

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