表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/61

第6話:影の策略、光の忠義

藤吉郎の名は小さな部隊の中で急速に広まっていた。


「戦術が冴えてるんだとよ」


「あの草履取り、信長様に気に入られてるらしい」


それは喜びと同時に、別の感情も呼び起こしていた

──嫉妬、警戒、敵意。


「おい、木下。ちと耳寄りな話がある」


ある夜、城内の納屋で藤吉郎は一人の若侍に声をかけられた。


「清洲の村人が、信友の残党と通じているらしい。だが、殿には話がいっていない」


「……で?」


「おぬしが直接、殿に密告したらどうだ? また“お手柄”が増えるぞ」


その言葉の裏にあるもの──藤吉郎は即座に読み取った。


「わしに泥を被らせて、自分らは知らん顔するつもりか……」


『敵意分析:この人物は上位家臣からの命を受けて動いています。

 藤吉郎様を排除したい意図が高確率で存在します』


「……ナニワ、逆手に取ったろまい」


『戦術提案:密告の内容を改変し、殿に“村人ではなく内部の裏切り”を示唆。

裏工作の証拠を得てから進言すれば信頼度が上昇します』


「よっしゃ、祭りの準備だわ」


翌日、藤吉郎は清洲の村に出向き、わざと敵残党と接触しようとするふりをした。 背後では、例の若侍が尾行しているのも知っていた。


『記録中:尾行者は伊勢守家の郎党。会話録音モード起動、証拠取得中』


そして、罠にかかったのは若侍の方だった。


藤吉郎は信長の前で静かに証拠を提出した。


「殿、内通の動きは村人ではなく、家中にございました。すでに証拠も──」


「……ほう」


信長はしばし沈黙し、やがてうなずいた。


「よくやった、猿。……いや、木下藤吉郎。おぬし、光のように誠を通す奴じゃ」


『称賛パラメータ上昇。信長の“直臣”に昇格する可能性:高』


「猿でええよ。光でも影でも、信長様のためなら、わしはどっちでもなる」


こうして藤吉郎は、“策謀”の世界にも一歩足を踏み入れた。


それは、未来の天下人に求められる資質

──“忠義と冷徹”の両立という名の、危うくも必要な道だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ