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第44話:聚楽第建設──都に咲く、天下人の夢

天正十四年(1586年)、 秀吉は自身の権威と統治の象徴として、

京都・堀川の地に壮麗な御殿「聚楽第」の建設を命じた。


天下人としての夢── それは、武の力ではなく、

文化と秩序によって人々を導く都を創ること。


ナニワ『地盤調査完了。建築資材:木曽檜・丹波石。

     動線設計・警備動線:AI最適化プラン表示可能──』


「ほう……城だけやあらへん、都ごと変えてまうんだわ」


秀吉は、ナニワの知識を最大限に活かし、

未来の建築思想を取り入れた都市空間を作り上げようとしていた。


政治、儀礼、文化、娯楽……すべてがこの場所に集う。


しかし、同時にナニワには微細な異常が生じていた。


ナニワ『……構文解析エラー……応答ラグ……メモリ同期不良……』


「……またか……調子、悪なっとるな……」


かつてのキレは失われ、ナニワの助言にはわずかな迷いが混じり始めていた。


秀吉はそれを表に出さぬよう、表情を崩さず采配を続ける。


聚楽第の完成は、 彼が天皇から関白の位を受ける直前の出来事でもあった。


天子の代理人──政の頂点に立つ男。 そして、その男のそばには……


「ナニワ……お前は……ここまで、よう……よう支えてくれたな……」


小さく微笑む秀吉の耳には、 わずかにノイズの混じる起動音だけが返ってきた。

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