第40話:山崎決戦──炎の復讐、猿が吼える
天正十年六月十三日──
秀吉軍は山崎へと到達し、即座に戦の布陣を整えた。
正面には、光秀の軍。
かつて信長に重用された男が、今や“天下人の首魁殺し”として 歴史に名を刻まんとしていた。
ナニワ『地形優位:天王山制圧可能。 前夜突撃部隊による奇襲案を提案。兵数差:約3:2。
士気差:秀吉軍優位。』
「ナニワ──ワシの怒り、伝わっとるな?」
ナニワ『YES。復讐計画、進行中。』
天王山を制する者が、山崎を制する。 秀吉はただちに黒田官兵衛に命じ、夜襲部隊を展開。
夜の闇に紛れて、数十人の兵が険しい山道をよじ登った。
午前四時── 天王山頂からの烽火が、秀吉本陣に走った。
「──奪取成功や!」
天王山から矢が放たれ、山麓に展開する光秀軍の側面を崩し始めた。
同時に、正面の秀吉軍が大太鼓と共に突撃を開始。
「行けえええっ!! 信長様の仇、今ここで果たすんや!!!」
兵たちは怒号と共に進撃。 その背を、ナニワが支えていた。
ナニワ『敵兵、動揺確認。中央突破指示。 高台より狙撃部隊配置完了。騎馬隊、左翼から回り込み開始。』
光秀軍は混乱した。
本能寺で勝者となったはずの彼は、 この山崎の地で、
かつての“猿”によって追い詰められていた。
昼前、決着はついた。 明智光秀は敗走し、わずか数日後に討たれた。
──信長の仇、討ち果たされぬ。
秀吉は戦場の真ん中で天を仰いだ。
「信長様……終わりましたで。でも、ここからが、ほんまの始まりや」
ナニワのレンズに、一筋の涙が光ったように見えた。
ナニワ『秀吉殿、戦果達成。 信長公の復讐、完遂。今後の行動──“天下統一計画、発動可能”。』




