表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/61

第37話:静寂の前夜──猿、予感の刻

天正十年(1582年)、初夏──


備中高松城水攻めの成功で、西国の均衡が大きく揺らいだ。


秀吉は、戦後処理と毛利との講和交渉を進めつつ、 その裏で、心に澱のように残る違和感を抱えていた。


半兵衛の死、松永久秀の自爆、 未来を知る者たちの幕引き……

それは、秀吉にとって“終わり”を感じさせる連鎖だった。


ナニワ『予測:本能寺方面にて、異常な動き。武将移動情報が収束傾向。

    天候:晴天続き、風向:東。』


「なんや……胸騒ぎがする」


そのころ、信長は明智光秀を京都へ差し向け、 秀吉には毛利攻めを継続するよう命じていた。


だが、ナニワが検出した微細な戦況変化、 信長周辺から漂う緊張、

光秀の動きに現れる不規則な移動パターン── すべてが、どこか不吉な未来を予兆していた。


「ナニワ……光秀の動き、分析できるか?」


ナニワ『不自然な兵の再配置あり。ルート分岐複数発生中。

    信長公の居所・本能寺への接近パターン予測、確率28→54→81%──上昇中。』


「まさか……!」


秀吉は、戦勝の興奮が冷めぬ軍陣の中で、 静かに手綱を握り直した。


その夜、遠く京の空に向かって、 風が騒ぎ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ