第5話 休日の学校
それから土曜と日曜日は、学校が休みの筈なのだが、日曜の10時くらいに自宅のインターホンが鳴ったので、確認する。
「はい! 」
「桜ヶ丘高校の早川です」
そして鍵を開けると車らしき鍵を手に持ちながら中に入ってきた。
「元気してる? 」
僕は、苦笑いをしながら答える。
「まぁ、特に変わりはなしという感じですね。あの、今日は日曜日ですよね?」
「そうなんだね。うん!今日は日曜日だよ」
「いや、学校休みでは無いんですか? 」
「学校は休みだよ!だから警備員以外は誰もいないけど、白鳥くんと一緒に私の車で学校まで行ってみないかなって思って。日曜日は誰もいないから学校に行けるチャンスだよ! 」
「学校が休みと言う事は、早川先生も休みなんじゃ無いんですか? 」
「うん、休みだよ。だから今日は休日だけど、白鳥くんの事が気になってね。別に私がしたいと思ってることだから全然気にしなくていいよ。もし良かったら一緒に学校まで車でどうかな? 」
「わざわざ大事な休みの日なのに本当にありがとうございます!それと本当に申し訳ございません」
「謝らなくて良いの!私が勝手にしてることなんだから」
「それでは、よろしくお願いいたします」
そして僕と早川先生は、近くに止めてある早川先生の車に僕も前の席に乗って学校に向かっていく。
「すごく綺麗な車ですね」
「そんなことないよ。これ約10年前くらいのだから古くなってきてくるし、汚れとかも取りきれない部分がたくさんあるからね」
「そうなんですか! 全然汚れているようには見えないですけどね」
すると早川先生は、信号が赤になったのを確認してから信号待ちの間にラジオをつけると野球中継が流れていた。
実況『最後の一球になるか?望月投手投げました!ストライク!バッターアウト試合終了。
望月投手、2試合連続の完投勝利を飾りました』
それを聞いた早川先生は、嬉しそうにしながら言った。
「完投勝ちはすごいね! 」
「やっぱりエースだけありますよね」
「もしかして白鳥くんも望月投手のファンなの? 」
「はい!ファンなんです! テレビ中継がある時は欠かさずに見てますね」
「そうだったんだ! こうやって盛り上がれて嬉しいよ」