第34話 僕の進路
愛川さんが転校してきてから1ヶ月が経過し、校内ではその間に体育祭が行われた。
ちなみに僕たちは、保健室登校しており、他の生徒との接触は原則控えているため参加を見送った。
そして10月に早川先生がやって来て僕と愛川さんにこう言った。
「いよいよ半年で二人は卒業を迎えるわけだけど、進路について考えないといけなくなってるのが現実です。そこで、今後どうしたいのかをこの進路調査表に記入してください。
大学進学や親の仕事の跡継ぎをする等何でも構いません。提出日までは一週間あるので、慌てず考えてみてくださいね」
僕は、分からないところがあったので聞いてみた。
「先生、何処かで働きたいとかでも宜しいのでしょうか? 」
「もちろん良いですよ。具体的に決まってなくても構いませんので、空白ではなくある程度書いてみてください」
こうして僕と愛川さんは、卒業してからの進路について考えてみることにした。
「僕は、今まで進路についてあまり考えたことがなかったかな」
「私も無かったよ。とにかく不登校にならないよう一日一日を頑張ろうって言う感じだったからね」
するとゆりちゃんが僕にこう言ってくる。
「まーくん、ちょっと帰るときに一緒によってほしいところがあるんだけど、良いかな? 」
「ゆりちゃん、良いけどいきなりどうしたの? 」
「まーくんに合いそうな仕事があるかもって思って」
それを聞いたももっちとふうちゃんは、こう言った。
「私も一緒に行きたい! 」
「私も気になるから行きたい! 」
「それじゃみんなで行こっか! 」
こうしてみんなで行くことになり僕たちは、その日の帰りゆりちゃんと帰ることになり僕は、こう言った。
「僕に合いそうな仕事ってなんだろう」
「もう少ししたら着くから待ってね!よし、着いたよ」
着いた場所は『巻き寿司専門店 冬海バス停前寿司』と言うお店だった。
「冬海ってゆりちゃんの確か苗字だよね? 」
「うん、そうだよ!良いから中に入って」
するとふうちゃんは、こう言った。
「どんな巻き寿司専門店なんだろう」
そして中に入っていきゆりちゃんが声をかけるとゆりちゃんのお父さんが巻き寿司を作っていた。
「ただいまー! 」
「由梨花おかえりー!今日は誰か来てるみたいだけど、お友だちかい? 」
「うん、絆部のみんなだよ! 」
するとゆりちゃんのお父さんは、みんなに挨拶をしながら何故か僕の方に目線がいっている。
「初めまして冬海 茂治と言います。いつも娘がお世話になっております。もしかして彼が由梨花がいつも話の中に出てくる白鳥くんかな? 」
「うん!そうだよ!それで今、まーくんの進路について考えてるんだけど、決まらないみたいだから、もしかしてここで卒業後働くのはどうかなって思うんだけど… 」




