第12話 言いにくい話
「早川先生まで…分かりました。僕が部長になります。正直、絆部のみんなは、優しくて明るくて僕も学校に来る活力になりつつありますので」
「それでは、部長は白鳥くんに決まりで、三上さんも冬海さんも良いかな? 」
すると二人とも声を揃えながら言った。
「はい、もちろんです! 」
こうして絆部の部長は、僕になってしまったのである。
それから二日後のお昼前の事である。
ゆりちゃんが漢字ノートで漢字の勉強をいつも以上にスピードを上げて取り組んでいると、ふうちゃんの方は何故か反対に落ち込んでいる様子だったので話しかけてみることにした。
「ふうちゃん、元気ないみたいだけど、どうしたの? 」
するとふうちゃんは、軽くため息をついてから突然僕に質問をしてくる。
「今から言う質問は、もしの事なんだけど、ちょっと変な話になるんだけど、女の子っていつか好きな彼が出来て仲良くなったら普通は、お腹の中に赤ちゃんが出来るかもしれないよね? 」
「そうだね。それで結婚になることが多いのが一般的みたいなんだけど、私ね約6年前に交通事故にあったの」
「えっ、そうだったんですか」
「うん、それで幸い結果的には軽傷だったから身体の骨が折れたりとかは、無くて擦り傷程度で済んだんだけど、その交通事故の時にお腹を強く打ってしまったの。でも私は、擦り傷程度だったからまさか他には何もないよねと思っていたからその当時は、安心してしまったの」
「もしかして後から何かあったの? 」
「うん、実はお腹が痛くなることが日を増すことに増えてきてその交通事故から1年後くらいに思春期だから何かあってもって言う両親の心配から私は、病院に行って検査したの。
そしたら幸い死に至る訳では無いけど、病院の先生も詳しくは私の前では話さなかったみたいで分からないけど、どうやら赤ちゃんが出来ない身体になったみたいで」
「何か治療法は無かったの? 」
「両親が色々先生に何度も聞いてくれてしたけど、手段はないって言われたの」
「それは辛すぎるなぁ。辛いこと聞いてしまってごめんなさい」
「まーくんは何も悪くないから謝らなくて良いよ」




