第1話 辛い記憶
僕は白鳥 正人。小さい頃からいじめとかによくあっている。
そのため学校は休みがちでありつつも中学生までは学校には何とか登校出来ていた。
しかし高校になってからいじめの方がエスカレートしていき、どんどん学校に行きたくなくなってしまい最初は保健室登校という手段で学校に通い、勉強をしていたが、とある事がきっかけで学校に行くのがさらに辛くなってしまうのである。
今から約1ヶ月ほど前の時期に制服だと学校に行けるか不安が強まるため、とにかく学校まで辿り着く事を最優先に、そして目標に学校まで歩いて行ったのだ。
もちろん不登校の時期が、長いため極度な不安と手汗が強くのし掛かっていたが、何とか無事に学校に辿り着く事が出来たのだったが、ここで問題が起きてしまったのである。
一人の女性教師が校門の入り口にいる僕の方を確認してから質問された。
「ここで何をしてるの? 」
「僕は、決して怪しいものではありません。ここの学校の生徒の白鳥 正人と言います。普段は学校に来れていないのですが、頑張って来てみました」
するとその女性教師は、僕にキツい口調でこう言われた。
「ここは、私服では入れないから許可することは出来ない。学校に来るのなら、制服で出直してきてくれません? 」
この時の僕の心境はものすごく辛かった。
まるで大きな壁を突きつけられたような気持ちになってしまったのである。
僕は、落ち込みながらこう答えた。
「分かりました。申し訳ございませんでした。また出直してきてます」
そして僕は、そのままゆっくりと家に帰っていく。
ゆっくりと考えてみれば、分かることではあるのだが、僕の実態については、担任の教師と校長先生しか知らないため、この女性教師にはわかるはずもなかったという事を。
しっかりこのダメージは、日が経つことに膨らんでいき今に至っているのある。
そしてその頃、学校では月一回長時間に渡って行われる報告会に学校の職員全員が参加をしていた時に校長先生がその女性教師に質問をする。
「それでは、次早川先生。 何か報告はございませんか? 」
「校長先生、少し前に私服で学校に来られた方がいましたので、注意しておきました」
するとその話を聞いている校長先生は、早川先生に質問を投げ掛ける。
「学校に来られた方とは、ちなみに誰ですか? 」
「白鳥 正人と言っていましたが… 」
それを聞いた校長先生は、ため息をつきながら言った。
「白鳥くんは、定期的に報告会でも話している不登校生徒なんです」
その事を知った早川先生は、一気に顔を真っ青にしながら小さく呟いた。
「不登校生徒だったんだ。私、とんでもない事をしてしまったんだ… 」