プロローグ 魔法少女が許さない
『大魔爛祭』。
それは魔法少女たちの祭典、培った技術と能力を遺憾なく発揮し、世界に魔法少女ここにありと知らしめる為に三日間かけて行われる、年に一度の大イベント。
《地球》に七つある魔法少女教育機関から魔法少女が一堂に集まって、様々な競技で競い合うわけだが、最終順位はそのまま各校のヒエラルキーに繋がると言っても過言ではなく、勝者はその地位を守る為、敗者は雪辱を晴らす為、各々文字通りありとあらゆる手段を尽くして、全力で挑むのが通例だ。
最初の頃はただの学園間交流イベントだったのが、だんだん派手になっていって、今では世界各国に中継され、この時期は世間は大いに盛り上がる。
しかし、魔法少女当事者である私たちは、もっぱらこう呼ぶことが多い。
「魔法少女大運動会…………」
……四年に一度のあれとかそれとかと同じで、注目されるのは相応の実力を持った上澄みの魔法少女たちだけであって、私たち一般魔法少女からすれば普通に頑張らなきゃ行けない、普通の学園行事である。
だから私が属するような、平凡魔法少女が行う高等部一年生の集団競技にまで目を通すのは、相当のマニアくらいのものだ。誰もワールドカップ本戦の前に玉入れ大会なんて見ないだろう。
中等部の頃も学園対抗箒星走戦とか、主観的には大盛りあがりだったけど、テレビのニュースではどこどこに勝ち点三が入りました、とかそれぐらいの扱いだったし。
だから、そう、間違っても。
「――――君は」
『大魔爛祭』の最終日、最終種目。
全世界が注目する、現役世代最強を決める大一番の最終決戦。
最強の魔法少女、クァトラン・クアートラと、
最高の魔法少女、シャクティーバ・シュラクシャリアの対決。
その戦いに割り込む者など、居てはいけない、許されない。
「一体、何のつもりかな?」
白い魔法少女は、困惑の色を強めてそう問うた。
レースで編まれた純白の目隠しの向こうで、怪訝そうな表情をしているのが見て取れる。
「別に、わからないならそれでいいよ」
ましてや、この大舞台の最後の最後に。
「私はただ――――お前をぶん殴りに来たんだ」
最弱の魔法少女、語辺リーンが立っている事など、あってはならないのだ。
観客席から、配信先の全世界から、無尽蔵に降り注ぐ、ブーイングの嵐。
知ったことか、くそくらえだ。全部全部、どうだっていい。
やるべきことは唯一つ、なすべきことも唯一つ。
私は、シャクティーバを、絶対に許さない。
別に8月まで貯めなくても書いたら更新していって最終的に本にすればいいんじゃないか?(疑問)




