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通販スキルとポーション





「ところでオークの胸に付いている傷跡なんだが、、、」


ギルドマスターのグラシアさんが気になっているのは、レリムが禁断の技である猫斗(にゃんと)獣王拳を使い十字に切り裂いた傷跡の事だ。


「鋭い傷跡だ、、、普通なら武器でなければ、こんな傷痕は残らない。」


「だが、この傷跡は間違いなく素手で付けられた傷だ!

確信たる理由は無いが、私の戦士としての勘がそう言っている!」


大正解!!!

さすがギルドマスター、歴戦の戦士の勘は伊達じゃない!


「たぶん、これは、、、猫斗獣王拳の方だな!」


なぜ分かった!? 勘でそこまで分かるのか。


「そうニャ! よく分かったニャ」


「やはり、そうか! 私も噂程度しか知らないが、獣人には秘伝の格闘術があると聞いたことがある。

猫獣人が使う猫斗獣王拳、そして対となる格闘術、鳥獣人が使う燕斗(えんと)鳳凰拳(ほうおうけん)


あるんかい! 必殺の暗殺拳、、、北斗○拳!

ノリで戦ってると思っていたが、実際にある格闘術みたいだ。


「無敵の拳法ニャ!」


「その年齢で、よくここまで強くなったものだ!

佇まい、強者のオーラ、才覚、どれを取っても素晴らしい。

どうだ、もしよければイレオラの町である、武闘大会に出場しないか?」


大会? そんなのあるのか?

詳しく聞いてみると、ここルーガの町から2日かけて行った所に、イレオラの町が存在する。

イレオラの町では年に1回、武闘大会が開かれ、各町から強者達がこぞって集まる。


大会の本戦で優勝した者には多額の賞金が与えられるが、本戦に出場できるのはギルドが推薦した人物か、実績や評判が高い者、または予選で勝ち残った1人だけが出場できるみたいだ。


多額の賞金! もちろん欲しい!

レリムには是非出場してもらいたいが、、、


「魚食べる大会なら出たいニャ!」


ブレねえ!!!

魚に対する類まれない食欲と一途な想い。

戦いより魚の方が好きなのだろう。

レリムは武闘大会には興味がないらしく、出場するよりも観戦しながら飲み食いしたいみたいだ。


「そうか断わるとは思ってなかった、、、たが大会が開催されるのは、かなり先の話だ、もし出場したくなったら、その時は何時でも私を頼ってくれ!」


嬉しい事に、何時でも推薦してくれるようだ

レリムの気が変わったら是非お願いしたい。




グラシアさんは多忙のため帰っていき、俺とレリム、受付嬢のミレイナさんの3人も冒険者ギルドへと戻る。


「何か辛そうだったニャ」


レリムが俺にだけ聞こえるように小声で話しかけてきた。


「誰が辛そうなんだ?」


「ギルマスにゃ、、、苦しそうにしてたニャ。

それに強そうなのに、弱い感じの雰囲気が出てたニャ、おかしいニャ!」


俺には分からなかったが、強者のレリムは何かを感じたみたいだ。

グラシアさんに異変があったようには思えなかったが、身体についた無数の傷跡が辛いのだろうか?

思案しているとギルドに到着したので、考えるのを辞めた。


ミレイナさんから冒険者として知っていて欲しい事があり、説明したいと言われ俺達は引き止められた。


「合格おめでとうございます! 今からお二人のランクは初級冒険者になります。 こんなに早く昇格してくれて私も嬉しいです。

それと、こちらがオーク討伐の報酬になります!」


俺達と同じ様に合格を喜んでくれるミレイナさん。

今回薬草類は渡していないので、オークだけの金額になる。

合計で50,000エントを報酬として受け取った。


内訳は、、、


《討伐報酬》

オーク1体の討伐5千エント。

今回は5体討伐したので2万5千エント。


《素材の換金代金》

オーク1体分の肉が3千エント。

堅牢な骨が2千エント。

5体分の素材全部で2万5千エント。


合計で5万エントになる。

手持ちと合わせて51,100エント。

一気に大金を稼いでしまった!?


これでレリムに美味しいお魚を買ってあげられる。

それだけじゃない、通販スキルで欲しい物が買えるぞ!


ちなみにゴブリンを討伐したら、いくらになるのか聞いてみた、、、


「ゴブリンは素材が役に立たないので、討伐報酬だけになります。

1体ではお金になりません! 5体で3千エントです」


安い!!! オークの値段が高過ぎて、ゴブリンがゴミに感じる。

それぐらいオークとゴブリンの危険度が違うということかな。


「1番知っていて欲しいのは依頼の件なんです!

依頼は何時でも受けれる訳ではないのです」


話が変わり依頼について説明し始める。

依頼とはそもそも、冒険者ギルドにモンスター討伐等の要請が来たときに、冒険者に仕事を分配する事を指すようだ。

ギルド側が信頼における実力と実績がある冒険者に依頼を任せるため、誰にでも依頼を託す訳ではない。

冒険者は荒くれに見られるが、素行や態度に問題があると、ギルドに苦情が行くため、かなり厳しく取り締まっているのだとか。


そうか! だから俺が最初に冒険者ギルドを訪れた時、テンプレみたいに絡まれて暴力を振るわれると思っていたが、何もされなかったのか。


俺はまた冒険者は厳しいという事を再確認した。


「私からは以上ですが何か聞きたい事はありますか?」


「ポーションの事聞かなくていいのかニャ?」


そうだった、重要なポーションの話を聞きそびれる、ところだった。

ミレイナさんにポーションの材料や作り方を聞いてから宿へと戻った。






宿屋の自室で先程ミレイナさんから聞き出したポーションについて考える。

ポーションは合成や薬物学等のスキル持ちでないと作れないため、高価な品物だ。

最低でも合成のスキルで、作った薬品と素材を合わせなければポーションは完成しないらしい。


その話を聞いたとき俺は閃いてしまったのだ。


大事なのは合成なのだと!

だったらスキル以外で合成すればいいじゃないか!


思い出して欲しい、、、

通販でマタタビジュースを買い、レリムが飲んだ時の事を。

ステータスが強化され、興奮状態となった。

通販で購入した物には、特別な力があるのかもしれない!


だからと言って、本当にポーションを作製出来るのか?

疑問に思うかもしれないが、出来る、出来ないで物事を考えていたら、何も出来ない!!!

大事なのは、、、やるか、やらないかだ!


答えは、、、やるだ!!!


俺は少しの憶測と未来の可能性にかけたい。



ミレイナさんから教えて貰った、ポーションの作り方を頭の中でイメージする。

ポーションを作るには、まず薬草を刻んですり潰し、次は水で煮て薬草の効力を出すと、薬草水となる。

薬草水と同様に癒やし草も、同じ手法で癒やし水へと変える。


出来た薬草水と癒やし水、さらに魔力水の3つを合成する事でポーションが完成する。

魔力水の作り方はミレイナさんでも知らないみたいで、薬師だけが知っている専売特許のようだ。


ここまでの事を踏まえて、スキルを使い通販で買える商品の中に、合成に使えそうな物を探す。


あった!!! これだ


調理器具、、、《ミキサー》


項目に書いてある説明を読む、、、



《錬金ミキサー》5,000エント

電気を必要としない。

内部にあるブレードを回転させ、みじん切りにして合成する。

色んな物を混ぜ合わせて合成可能!!!



これしかない!

説明欄を確認してよかった。

マタタビジュースの時みたいに、何か書いて有るんじゃないかと思ったのだ。


他に必要な物を説明欄を読みつつ購入していく、、、



《ポーション瓶》100エント

中に入れた液体が劣化しない。



《魔導眼鏡》10,000エント

この眼鏡で物を見ると鑑定できる。



ポーションの瓶や、鑑定に使う眼鏡、そして魔力水の代わりになりそうな液体を探す、、、あった! これだ



《エナジーノンストップ》100エント

活力が湧き、滋養強壮を高めるジュース!

魔力水と同様の効果がある。



爪痕が描かれているのが印象的な、有名なジュース。

皆がオールナイトする時には必需品になる奴だ!


魔導眼鏡はかなり高い値段だが、眼鏡にしては安い方だろう。

ポーション瓶とエナジーノンストップは、どれぐらい使うか分からないので、100個ずつ購入する。



《錬金ミキサー》

5,000エント


《ポーション瓶》

100エント✕100個、10,000エント


《魔導眼鏡》

10,000エント


《エナジーノンストップ》

100エント✕100個、10,000エント



合計35,000エント。 残金16,100エント


かなり痛い出費だが、完成したポーションを売れば、すぐにお金は取り戻せる。


「 必ず完成させてみせる!!!」






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