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~優羽~ハルと百合の関係~

ハルが仕事を休んでいるので、その日の仕事はいつも以上に頑張った。


店の外には休みのホストの名前が書かれているので、ハルを指名する客は来ないはずだった。


だが、わざわざ店内にハルがなぜ休みなのかと聞きに来る客もいた。

その都度、優羽が出て行き対応した。


ハルが休みなら、優羽でもいいわと言う客もいた。

優羽はいつもの倍近い客の接客をこなした。


ハルが居ない店内はなんだか寂しかった。


頼りになる先輩がいないとこんなにも寂しいものなのかと思った。


この日は、ハルの偉大さとハルの人気っぷりを再確認した優羽だった。


仕事が終わるとすぐにハルの住むマンションへと優羽は急いだ。


今日の優羽はとても頑張った。その事を報告し、ハルによくやったと褒めてもらいたかった。


主人に褒められたい一心で、投げたボールをキャッチし、それをまた主人の所へ持ってくる犬のように。


ハルの住むマンションへ到着し、最上階へと上る。そして、チャイムを押した。

「ピンポーン」


ガチャリ。ドアが開いた。

出てきたのはハルではなく百合だった。


「あ…」

優羽と百合はお互いびっくりして固まっていた。

「優羽?」

百合の後ろから顔をのぞかせるハル。


「す、すいません。俺帰りますんで」と優羽は帰ろうとした。


「平気よ。今帰るとこでしたから」と百合が優羽を引きとめた。


「優羽、中入ってろ。下まで百合送ってくるから」とハルは言い、二人は出ていった。


優羽は部屋へ入り、窓から下をのぞいた。


タクシーが一台とまっていた。そのタクシーに百合が乗り帰っていった。

ガチャリ。


しばらくして、ハルが帰ってきた。


「ハルさん、百合さん来てたんですね。」と優羽が言った。


「あぁ、優羽に聞いて来たって言ってたな。わざわざ来なくていいのに。」とソファーに座りながらハルが言った。


「百合さんが来て嬉しくないんですか?」と優羽は聞いた。


「そうじゃねぇけど…あいつ結婚してるし」とため息混じりに言うハル。

「けっ結婚してるんですか?!」と驚く優羽。


「あぁ、だから俺が客として、あいつの店に行くようにしてるんだ。」ハルは少しため息まじりに言った。



「百合さん、人妻だったんですか…。だから、ハルさん人妻もののAVばっかり持ってるんですか?」と真剣に聞く優羽。

「お前、また俺の勝手に見ただろ!次から金取るぞ!」と怒鳴るハル。


「百合さんはハルさんの事好きだと思います」と話しをそらす優羽。


「…百合は、俺がホスト始めた頃に付き合ってた女なんだ。」ハルが話した。


「じゃぁ、百合さんはハルさんの元カノ?」

優羽が聞いた。


「そうなるな。あの時の俺は自分の事でいっぱいいっぱいで百合の事大切にしてやれなかった。」ハルが悔いるように話した。

優羽は黙って聞いた。


「でも、百合はそんな俺を好きでいてくれたんだ。百合が働いてる店の社長が百合の事気に入っててさ、百合に結婚を申し込んでたんだ。それを聞いて俺は百合の事手放した。

俺は百合を幸せにする自信がなかったんだ」

と下を向きながらハルが話してくれた。


「そうだったんですか。でも、まだお互い好きなんですね」優羽が聞いた。

「いや、百合が幸せなら俺はそれでいいんだ。もう、俺のものにしようなんておもわねぇよ。でも…」言葉を詰まらせるハル。


「なんですか?」と聞く優羽。


「………」

チラッと優羽の事を見たハルは話しをさえぎった。

「いや、俺の事はいいんだ。それよりお前、今日は大丈夫だったか?」とハルが聞いた。


「あ、はい。大丈夫でしたよ」と言い、今日の事をハルに報告した。


「迷惑かけて悪かったな。良くがんばったな」とハルが褒めてくれた。


「迷惑じゃないです。」と言いながら褒められた事が嬉しかった優羽。


「ハルさんは体の調子はどうですか?」と優羽もハルに聞いた。


「あぁ、もう全回復した」とほほえみながらハルが言った。


それを聞いて優羽も安心した。


「お前明日はデートだろ?失敗すんなよ」ハルが優羽に言った。


「はい!それじゃ、俺帰りますね。」優羽は立ち上がりながら言った。


「おぅ!じゃあな」ハルが言った。


優羽はハルのマンションを後にし、自宅へと帰って行った。


優羽はベットの中でハルと百合の事を考えていた。

「でも…」ハルはその後何を言おうとしていたのだろうか?

それに、百合がハルを見る時の目が少し寂しげだった。百合は今幸せではないのだろうか?

……………………

そんな事を考えながら優羽は眠りに落ちていった。





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