ものごころついたとき、モンスターはすでにいなかった
その大陸の平地からモンスターはいなくなった。
後は外の大陸にいくだけである。
だが外の世界には思いのほか広かった。
だから人々は世界に広がるにつれ、自らのやりたいようなプレイに合わせてグループを形成していったのだ。
ある東の大陸にある米どころの魔王国では、異世界転生したアメリカ人が大量にいて「トモダチになろーぜー」の一言で友国となり、外人にかぶれた人たちはそこで土着するようになり。
とある南西の大陸ではシビラ〇ゼーションとかいうゲームで、〇ガンジープレイなるものにハマった人たちが『超平和主義』を主張し、万が一にも突撃しようものなら〇ミサイルをぶっぱなしてくるようになり。
とある西の大陸では現地のイタリア風美男美女がかたっぱしからナンパするのに当てられて次々にオメデタ結婚して土着するようになり。
そして、とある北の大陸ではネタ的にヤバすぎて以下略の状態となった。
だが、世界共通であったのは『モンスター死すべし!』という思想である。主に経験点のためにだ。
「おっしゃー! ボス級を発見したぜー。倒しにいくか--」
「よっしゃー! レイド組むぞレイド」
意気揚々と突撃していった彼ら。
日本人たちは迷惑を顧みず次々と散らばっていく。
だが、モンスターがそのうちに枯渇するというとこはだれも考えてはいなかったのだろうか?
モンスターが自大陸以外でもいなくなるのにそう大きな時間は掛からなかった。