☆キューまーく
システム:村人Bが入室しました。
村人B「ギャー。村人Bの人肉調査がテレビやネットで大々的に行われているぅぅぅ~」
システム:アリス・ガーゼットが入室しました。
アリス☆「よっ! 有名人なのじゃ!」
村人B「よかねぇよ! あんなくそでかい屏風なんていらねーよ。あんなでかいモンスターがでてきたら僕、〇んじゃうよ!」
連日においてテレビや雑誌では動画で坊主が上手に描いたとされる屏風の絵が掲載され、ネットでは関連動画が次々とアップされていた。その大きさも十分認識できるほどである。
『村人B』とは何者だ? というテロップももちろん込みだ。
ラララ☆「この前運営Aがかたっぱしから初期の書き込みをもみ消していたから、しばらくは大丈夫なのじゃ?」
村人B「しばらくってなぁ。俺は普通の一般人なの。MOBなのよ。MOB! たまったものじゃない」
アリス☆「この前、『むきー! 経験点さえあれば! 経験点さえあれば世の中無敵でハーレム作って俺TUEEEできるのにぃぃぃ。くやしぃぃぃぃー--』とか言っていた人の発言とは思えぬのじゃ」
村人B「うはー。一瞬前の書き込みが痛い黒歴史になっているぅぅぅ」
アリス☆「でも書き込みはやめられないのじゃ?」
村人B「まぁねぇ……」
システム:運営Aが入室しました。
運営A☆「そんな貴方に☆きゅーマークぅぅ」
村人B☆「ぎゃー、って何これ?」
運営A☆「説明しよう! ☆きゅーマークとは運営Aから公式認定されたアカウントの名前の横につく、その名の通り☆を模したマークのことであるッ!」
村人B☆「説明ありがとう! つまり、より特定されやすくなっただけじゃねーかバカ野郎!」
アリス☆「ほーれ素直になるのじゃ。素直に名乗り出てあの屏風を受け入れるのじゃ」
村人B☆「やだよ。あんな見るからに高レベルモンスターなんて、戦ったら1ラウンドも掛からず〇ぬって」
アリス☆「見える。見えるのじゃ。不用意にだれかが『ドロー モンスターカード!』とか叫んでモンスターが暴れだす姿がっ」
運営A☆「実際、そこらのオタクが『ドロー モンスターカード!』って叫んで、虫のモンスターが世に放たれて討伐大変だったみたいだがな。なにせヤツは――、黒くて飛ぶ」
村人B☆「うわぁ、人的被害がでちゃっているぅぅ」
運営A☆「ありゃさすがにヤラセだろ。あんなに報道がいてあんな阿鼻叫喚起こすなんて、経験点欲しさに公務員の連中がやらかしたに違いない」
村人B☆「まあ、ぶっちゃけいきなりあんな屏風を渡されても扱いに困るよなぁ。不用意な『事故』が起きる前に、用意して『事故』を起こして安全に片付けるのが落としどころだったのでは?」
運営A☆「あ。俺の言いたかったこと取りやがった」
アリス☆「で――、屏風がダメなら村人Bが経験点をゲットして俺TUEEE――計画はどうなるのじゃ?」
村人B☆「もう良いよ経験点は――」
運営A☆「諦めたらそこで試合終了だよ」
村人B☆「終了~」
運営A☆「終わらせるなっ!」
アリス☆「住所さえ教えてもらえれば、キミの家のクローゼットとか机の引き出しに転移ポイントを設定して何時でもうちのダンジョンでがっぽがっぽ経験点が稼げるのじゃ。早く言ってらくになるのじゃ」
村人B☆「ごくり……」
運営A☆「ちなみに俺も経験点欲しいぞ」
アリス☆「ほほう。経験点を得てナニがしたいのじゃ?」
運営A☆「俺の固有スキルを強化したいのだ……」
アリス☆「なるほど。《アプリ》がさらに凄いことになるのじゃ。楽しみじゃ」
村人B☆「……。ア―― やっぱり僕も経験点欲しぃ――― (心の中で何かが壊れた音)」
こうして、アリスは村人Bの住所をゲットするのであった――