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第22話 殲滅戦開始

 翌日の早朝。

 集合時刻より早めにギルドにやって来た俺たちは、すぐに奥の部屋へ案内される。

 部屋の中では、すでに冒険者たちが待機していた。


 全員がそろったということで、ギルマスが話を始める。


「もう一度、作戦内容を伝える。まず、ゴブリンの集落はここにある」


 ギルマスが地図を指す。

 ナイトメアノワールの巣があった場所よりも少し北のあたりだ。


「ゴブリンに逃げられると厄介だ。だから、俺たちは四つのグループに別れて、四方から同時に攻め込む」


 逃げ場をなくして一斉に叩くってわけか。


「Cランク冒険者で前衛職の者が率先して攻めろ。Dランク以下の前衛職はそのサポートだ。後衛職も同じようにCランクの者が主導で攻撃をし、Dランク以下がそのサポート。医療班は後方待機でケガ人の応急処置を任せる」


 剣士や盾使いなどが敵を倒したり攻撃を受け止めたりして後衛を守り、後衛の魔法使いなどが強力な攻撃を放つ。

 パーティーを組むときの基本だ。

 それは集団戦闘でも変わらない。


「斥候は攻め込む前の偵察を頼む。その後は状況を見て他の冒険者のサポートに当たってくれ。総大将はBランク冒険者のライナーに頼む。異論はないな?」


 ギルマスが冒険者たちを見回す。

 だれも異論を唱えるものはない。


 ちなみに、ギルマスは今回の作戦には参加しない。

 ギルマスにしかできない仕事──今回の事件を国に報告する必要があるからだ。


「最後に、この作戦に新たに参加することになった冒険者を紹介する。回復魔法の使い手であるクロムとその仲間だ。戦力としても支援要員としても期待できる」


 ギルマスに紹介される。

 俺たちは一歩前に出た。


「クロムです。回復魔法は上級まで使えるので、ケガの治療は俺に任せてください」


 上級の回復魔法ともなれば、四肢欠損を治せるレベルの効果を持つ。

 それもあって、俺が参加することに異論を唱える冒険者はいなかった。

 逆に歓迎されたくらいだ。


 ちなみに、上級回復魔法が使えるようになったのはルカが進化した時である。

 試し撃ちは昨夜しておいたので、実践で使うのも問題ない。


「ルカは近接戦闘が得意だよ!」

「強いことは俺が保証する」

「こちらのドラゴンは俺の従魔で、ミラっていいます。支援系の能力に特化していますが、B-ランクなのでそれなりにフィジカルもあります」

「きゅう!」


 ルカについてはライナーさんがお墨付きをくれたことで。

 ミラは高ランクのドラゴンなので、二人とも歓迎してもらえた。


「クロムたちはどのグループにも属さずに、遊撃やケガ人の治療を行ってほしい。かなり大変だと思うが、頼めるか?」

「ルカにとっておきがあるから大丈夫だよ!」

「ルカとミラがいるので問題ありません。任せてください!」

「きゅぅ!」


 ギルマスは無言で頷く。


「作戦の説明は以上だ。健闘を祈る」


 ギルドを出た俺たちは、ライナーさん先導のもとゴブリン集落へ向かった。






◇◇◇◇


 数時間後。

 ゴブリン集落に到着した俺たちは、それぞれのグループに分かれて配置につく。

 俺たちはライナーさん率いるAグループに配備された。


「集落に異常はありません。いつでもいけます」


 集落の偵察から戻ってきた斥候によると、ゴブリンたちは油断しきっているらしい。

 警戒している様子が見られないとのこと。


 ゴブリンたちが楽観的なだけなのか、それとも警戒する必要がないほど自信があるのか。

 どちらにせよ、俺たちのやることは変わらない。


「作戦開始だ」


 ライナーさんがそう告げると、魔法使いの冒険者が空に向かって赤く光る魔法を打ち上げた。

 今のが事前に打ち合わせていた合図の方法で、魔法の色によって意味が異なる。


 赤は『突撃』を意味する合図だ。


 俺たちはライナーさんが先陣を切る形でゴブリン集落に突入する。


「覚悟しろよ、ゴブリンども!」

「ゲゲー!?」

「ギャッ!?」

「ゲッ!?」


 魔法使いの人たちがあらかじめ準備していた魔法を打ち込む。

 ゴブリンたちは突然の攻撃にパニックになって、まともな連携ができていない。

 そこへライナーさんたちが攻撃する。


「出だしは順調だね、クロムお兄ちゃん」

「そうだな。完全にこちらのペースに持ち込むことができた」


 集落の別の方向からもゴブリンたちの悲鳴が聞こえてくる。

 他のグループもうまくやっているみたいだな。


「気を引き締めろ。本命の登場だ!」


 ライナーさんが声を張り上げる。


 そちらをみれば、ゴブリンの上位種たちがわらわらと集まっているところだった。

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