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第20話 依頼達成

「おお、これは……! 間違いなくナイトメアノワールのものじゃ! ありがとうありがとう! この村は救われましたわい!」


 村に戻った俺たちは、ナイトメアノワールを討伐したと村長に伝える。

 もう家畜がさらわれたり自分たちが攻撃される心配はしなくていいと、村長だけでなく村人たちも喜んでくれた。


「感謝されるのって気持ちいいね、クロムお兄ちゃん」

「だな。なんというかこう、胸がいっぱいになるよ」

「ん、ルカも」

「きゅい~」


 村人たちからお礼を言われたり、特産品である家畜の乳を使って作られたお菓子をもらって食べたりしていると、村長が戻ってきた。


「こちらをギルドに渡してくだされ」


 村長から依頼書を渡される。

 達成したことを証明する旨が記入されていた。


「ありがとうございます。では、俺たちはもう行きますね」


 依頼書を仕舞ったら、俺たちはフラメア行きの馬車に乗り込む。

 みんなからお礼の言葉を貰いながら、俺たちは村を出た。






◇◇◇◇



 日が完全に沈む前に、俺たちはフラメアに戻ってきた。

 街に入ったらすぐにギルドに向かう。


 ギルドの中は、朝来た時と同じくらいの冒険者たちがたむろしていた。

 ……のだが、なぜかどんよりとした重たい空気が漂っている。


 この時間のギルドは、いつもならまず間違いなく騒がしい。

 何があったのか少し気になるけど、まずは依頼達成の報告をしないと。

 俺たちは受付嬢さんのもとに移動する。


「あ、お帰りなさい! 無事だったんですね!」


 受付嬢さんは俺たちを見るなり安堵の声を漏らした。

 それからミラを見て固まった。


「なんか可愛いドラゴンが増えてる……!? めっちゃ触りたい……じゃなくて、クロムさんは【テイム】系のスキルが使えるんですか!?」

「あー……まあ、そんな感じです」

「めっちゃ羨ましいです! しかもドラゴンってヤバくないですか!? ドラゴンですよドラゴン! テイマーが憧れる魔物ナンバーワンじゃないですか!」


 さっきから受付嬢さんのテンションが高い。

 可愛い魔物とかが大好きなんだろうな。


 ……っと、このままだと魔法乱舞マシンガントークが終わらなさそうだから、俺のほうから本題を切り出そう。


「それで依頼なんですけど……」

「……ハッ!? 私としたことがついつい関係ない話ばかりしちゃいました、すみません」

「いえいえ、全然大丈夫ですよ。それで依頼なんですけど、達成したので手続きをお願いします」

「はい。……はい? 達成? ちょっとワンモアお願いします」

「依頼を達成したので手続きをお願いします」


 俺がそう言うと、受付嬢さんはまた固まってしまった。


「……達成しちゃったんですか!? え!? え!? でも、いくらなんでも戻ってくるの早すぎません!? 出ていったの今日の朝ですよね!?」

「朝ここを出て、さっき帰ってきました」

「ナイトメアノワールの巣の場所とか不明でしたよね!? こんな早く見つけて討伐できるとは思いませんよ! 普通、数日はかかる依頼ですよ!? てっきり、諦めて帰ってきたのかと思いましたよ!」


 受付嬢さんが驚くのも分かる。

 俺も受付嬢さんの立場だったら、ナイトメアノワールと戦ったけど勝てなくて逃げ帰ってきたと思っていただろう。


 そんなことを考えていたら、ルカが誇らしげに説明してくれた。


「クロムお兄ちゃんはすごいんだよ! ナイトメアノワールの習性と目撃情報から巣の位置を推測して、習性を利用した罠で倒しちゃったんだもん!」

「きゅい~!」


 なぜか、その場にいなかったミラまで誇らしげにアピールする。


「……なるほど。知識を駆使して格上を倒したってわけですか。他の冒険者たちも見習ってほしいですね。特に気合いと根性があればなんとかなるとか言ってる脳筋ギルマスは……」


「悪かったな、脳筋で」


「ぎゃぁぁぁぁぁ!? 化け物出たぁぁ!?」

「……お前、今日残業な。気合いと根性でなんとかしろ」

「嫌だぁぁぁぁああ!!!」


 受付嬢さんとのやり取りから考えるに、この人がギルマスなのだろう。

 がたいのいい筋肉質な体つきに、獅子を彷彿とさせる雰囲気。

 強者なのが一目でわかる。


 そのギルマスが俺に話しかけてきた。


「クロムをDランク冒険者として認める」

「え……!?」


 俺は顎が外れそうになるのをなんとかこらえる。


 冒険者は依頼の達成などで一定の活躍をするとランクアップする。

 今回ランクアップできたのはとても嬉しいけど、まさか依頼をたった一回達成しただけでランクアップできるとは思ってもいなかったから驚きだ。


「いいんですか?」

「俺はギルマスだぞ? 人を見る目くらい持っている。それに、本題はそっちではないしな」


 ギルマスが険しい表情で俺を見てくる。


 さっきの口ぶりから察するに、ギルマスは俺に用件があるのだろう。

 それも、かなり重要なことだと思われる要件が。



「クロム。お前には緊急依頼を受けて欲しい」



 ギルマスはそう告げてきた。

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