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病弱な少女は冷酷な皇太子に溺愛される  作者: 霖月あおい
第一章 急な婚約と結婚式
34/45

リリーの過去 ボツ案

これはボツです。本筋には関係ありません。

書いちゃったからにはもったいないし、あげとこうっていう考えなので、読んだら混乱するって方は読まないことをおすすめします。




最後にもう一度。これはボツです!!



「バレてしまっては仕方ないですね…アンヌ、マリ、出てきて」


「え…?」


「「お久しぶりです、お嬢様」」


上から、人影が降りてきて、すっと床に着地したのは、家でいつも一緒にいてくれた、アンヌとマリでした。


「アンヌ、マリ…どうして…?」


「私達の本分はお嬢様の護衛ですから」


「すこし、リリーたちのお手伝いもしていましたけれど…」


「だから、あの部屋の香りがしたのね…」


「左様にございます」


「リリー、貴女は、誰なの?」


「私は、王宮侍女です」


「それを聞いているわけではないのはわかっているでしょう?」


「クリスティア様は追求が厳しいのですね。私達は、全員、孤児院出身なのです」


「アンヌとマリは知っているわ。たしか、我が家の孤児院の分院出身だったわね」


「私は、2人とは別の孤児院出身ですから、オースティン家に恩義はありません。私は武術に興味があったので、時々孤児院を抜け出して、男の子の格好をして剣を振り回していたのです。あるとき、泥がついてしまったので水浴びをしていたら、2人に見つかってしまって…」


「それより前から、私達はリリーを知っていたのですけれど…。男の子だと思っていましたし、孤児だとは思ってもいなかったのです」


「まぁ、なにはともあれ、見つかったあとも、2人には叱られはしたけれど、武術が好きだったので、続けていたら、数週間後、2人も木刀を持ってきてて…一緒にやろうって」


「アンヌが一番習得が遅かったのですけれど。一年くらい一緒に鍛えて」


「それで、私はクリスティア様付きのメイドとして、オースティン家に引き抜かれたので、2人にはあまり会えなくなったのですけれど」


「マリと私はその後もう一年続けて。それで、マリはクリスティア様付きのメイドになり、私は、一人で訓練しつつ、騎士団に入る道を探していたのです」


「この子ったら、男装して騎士団に忍び込んでいたんです。お休みをみんなで合わせて取って、街に男装の道具を買いに行って。見習い騎士としての知識と訓練の仕方を覚えては、私達にも教えてくれていたのです」


「今でもたまに、騎士団に忍び込んでますよ」


「え?」


「最近は行ってないですけれど、楽しいので」


「身長的にもごまかせるからね」


「リリーは騎士になりたかったの?」


「騎士になりたいというか…大切な人を守れる人でありたいだけです」


「そう…」


「アンヌとマリは?」


「私達は、クリスティア様を守りたいだけです」


「クリスティア様を守るために、この知識をつけたのですから」


「…ふたりともありがとう。さて、では3人には、わたくしの先生になってもらいましょう」





「先生…ですか?」


「えぇ。わたくしは皇太子殿下に嫁ぐ身です。もちろん、襲撃に合う可能性だって、なんだってある。そのときに、皇太子殿下の邪魔にはなりたくないのです」


「だから、私達がついているのですが…」


「違うわ。私は替えがきく存在です。皇家の血を後世に残すためならば、わたくし以外のご令嬢にも適任者はたくさんいます。ですから、殿下を守ってわたくしが、わたくしの護衛が死ぬことはあっても、わたくしを守って、殿下が亡くなるというのは、あってはならないこと。それはわかる?」


「「はい」」


「だからこそ、わたくしは、もしものときに殿下の足手まといになってはならないのです。本で得た毒の知識でも、あなた達に教わろうとしている剣術でも、殿下を守る位置に立たなければならない」


「…わかりました」


「リリー!」


「大切な人を守るという目的のために武を必要とするならば、私は、手伝います」


「でも、リリー、クリスティア様の体では…」


「少し運動したら、体力がついて体調も良くなるかも知れないじゃない」


アンヌとマリはわたくしの体調が最悪だった時期を直接ではなくとも知っています。とてもじゃないけれど、わたくしの体には負荷がかかりすぎると思っているのでしょう。


「でも、それでも、なにかあったら…」


「ここは王宮よ。この国最高の医師や研究者が揃っているわ。なにかが起こる可能性がないわけじゃない。でも、アフターケアはできる」


「…お嬢様は、本当に望んでいるのですよね」


「えぇ」


「ご自身の体のことも考えて、おっしゃっているのですよね」


「そうよ」


「「なら、私も、協力します」」


「ありがとう、みんな。さぁ、そろそろお夕食の時間だわ。リナが持ってきてくれるのでしょうけれど、アンヌとマリはまた隠れるの?」


「隠れませんよ。見つかってしまったのですから」


「そう。では、侍女のお仕着せを着て。いつもどおり、仕えてちょうだい」


「「かしこまりました。お嬢様」」


側に二人がいると何となく安心感があり、落ち着きます。着替えのために退室した2人を見送り、食事を取りました。


「入浴の手伝いは、アンヌがいたします。おやすみなさいませ、クリスティア様」


「おやすみなさい」


三人が退室したあと、入浴を手伝ってくれているアンヌには聞きたいことも、話したいこともたくさんあります。けれど、眠気との戦いである入浴中にそんなに話すこともできず、わたくしはお風呂からあがるとすぐに眠りにつきました。





「バレてしまったのよね…」


「あんなに鋭い方だとは思わなかったんだけど…」


「賢い方よ。それに私達が想像していたより、細かいところまでご覧になっているのね」


「マリ、リリー。それに、リナも。みんなここにいたのね」


四人が集まっていたのは、皇太子宮の侍女たちが食事を摂る部屋。どうやら、2人は、リナがいなかった時の話を聞かせているようでした。


「おつかれさま、アンヌ」


「お嬢様は?」


「もうお休みになっているわ」


「誰か控えていなくていいの?」


「上から見ているって」


「じゃあ、私達はいいか」


「うん」


今日は、忍びの者がついているようなので、私達はお休みです。クリスティア様には私、マリ、リリーのほかに、何人かの忍びの護衛がついています。皇太子殿下がおつけになった忍びは十人程。私達女性は、クリスティア様のお側に寄れるということを活用して、侍女として近くに。他の殿方は色々なところに隠れたり、どうしても私達は侍女の仕事に忙殺されるので、夜間の護衛を担っています。


「リナは護衛なの?」


「私は護衛はできないわ。侍女としての仕事しかしていないもの」


「そっか…」


「あのねぇ、リリー。リナが普通よ」


「私達は特殊だもの」


「そういえば、2人はどうやって鍛えていたの?」


「私達は…オースティン家で訓練していただいただけよね」


「そうね…リリーが教えてくれる、騎士団の訓練をちょくちょくかじりながら、お嬢様を守るために少し教えて下さいって、オースティン家の騎士に頼んだくらい…?」


「少し頼んだだけなら、忍びにはならないでしょ」


「う〜ん…でも、私達は殺せないから」


「それは私も殺すために鍛えたわけじゃないけど…」



「リリーみたいにためらいなく刺せるかって言われるとなんとも言えないよね」


「お嬢様は上手だけどね」


「え、?」


「とどめを刺しはしないけど、そのギリギリのラインを見込んで、うまく精神を殺していくのよ」


「精神的にか…びっくりした。武器を手に取れるのかと思った…」


「クリスティア様の武器は頭の回転の良さじゃない?」


「あとは、毒のちし…誰か来た」


「気づいてる」


「護衛じゃないわ。この気配」


「不審者?」


「リリーとアンヌは様子見に。攻撃も可」


「仕留めてもいいの?」


「いいわよ。殺さなければ」


「マリは私と、皇太子殿下のところに行きましょう」


「わかったわ」


リナもなにか訓練を受けているとは思ったけれど、彼女が受けたのは指揮官と諜報でしょう。指示の出し方が的確で、相手の実力を無意識のうちに測っているからこその編成にしています。


「さて、今日の敵は何かしら」


「楽しそうね。アンヌ」


「怒りはエネルギーを生むから」


「怖いわ」


リリーに突っ込まれ、二人の間の緊迫した雰囲気が薄れます。気配を辿った先にいたのは、明らかに不審な、黒ずくめの人影でした。




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